本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、メッセージや環境変数を表示する「echo」コマンドです。
本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、メッセージや変数の内容を表示する「echo」コマンドです。
「echo」はメッセージなどを表示するコマンドです。「echo メッセージ」でメッセージを表示します。「echo $変数名」で環境変数やシェル変数を表示する際にも使用います。
echo [オプション] メッセージ
※[ ]は省略可能な引数を示しています
短いオプション | 意味 |
---|---|
-n | 最後の改行を出力しない |
-e | エスケープシーケンスを解釈する |
-E | エスケープシーケンスを解釈しない(デフォルト) |
\a | アラート(ベル) |
---|---|
\b | バックスペース |
\c | 以降の出力を抑止 |
\e | エスケープ文字 |
\f | フォームフィード |
\r | キャリッジリターン |
\n | 改行(フォームフィード+キャリッジリターン) |
\t | 水平タブ |
\v | 垂直タブ |
\\ | バックスラッシュ |
\0nnn | ASCIIコードが8進数で「nnn」の文字。nnn部分は3桁の8進数字 |
\xHH | ASCIIコードが16進数で「HH」の文字。HH部分は2桁の16進数字 |
「echo メッセージ」で、メッセージを出力後、改行します。
改行したくない場合は、「-n」オプションを使います。画面1にある3番目の実行例では、「echo -n」でメッセージを表示し、続けてreadコマンドを実行しています。
readコマンドはキー入力を1行分受け取るために使うコマンドです。実行画面では「y(改行)」を入力しました。シェルスクリプトなどで、入力内容に応じて処理を分岐する際に使用します。
echo メッセージ(画面1)
(メッセージを出力し、最後に改行する)
echo -n メッセージ
(メッセージを出力し、改行しない)
環境変数やシェル変数を確認する際には、「echo $変数名」と入力します(画面2)。
実行画面では3つの環境変数LANGとREPLY、RANDOMの内容を表示しています。REPLYは直前のreadコマンドで実行した内容が保存されています。画面2で「y」と入力しましたから、「y」と表示されました。RANDOMは出力するごとに0〜32767の整数をランダムに返します。
echo $変数名
(変数の内容を表示する)(画面2)
メッセージを引用符で囲むと、空白の扱いが変わります(画面3)。メッセージに変数が含まれている場合、「"」(二重引用符)と「'」では扱いが異なります。二重引用符を使うと、変数の内容を表示します。
「-e」オプションを指定すると、エスケープシーケンスを有効にできます。例えば「\n」で改行、「\a」でベル音(アラート音)を出力します(画面4)。
引用符("または')の中では「\a」、引用符がない場合は「\\a」のようにもう1つ「\」を付けて指定しなければなりません。
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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