全てのビジネスデータを基盤として支えるストレージ。同業界で20年以上のキャリアを持つ技術者が考える、これからのエンジニア像とは――。※日本のエンジニアへのアドバイス動画付き
アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広が、グローバルを股に掛けたキャリアを築いてきたIT業界の先輩にお話を伺うインタビューシリーズ。第17回は「ストレージ業界の革命児」ともいえる「Pure Storage」社の副社長 Matt Kixmoeller(マット・キックスモーラー)氏に登場いただく。
20年近い業界でのキャリアと若さを兼ね備えた彼が考える、これからのエンジニア像とは――。
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) サンフランシスコ・ジャイアンツやメルセデスベンツなど、世界に名だたる一流企業がPure Storageの顧客に名を連ねています。なぜこれらの企業は御社を選んだのでしょう? 差別化の一番のポイントは何ですか?
Matt Kixmoeller(マット・キックスモーラー:以降、キックスモーラー氏) 私たちが他社より優れている点は「シンプルである」ことです。また、私たちは常にビジネスモデルそのものを進化させることに長い間取り組んできています。製品のテクノロジーは当然進化していますが、同時に当社が提供するビジネスそのものが顧客価値を創造できると考えています。
私たちの表現で「Evergreen Model(常に最新最良のものに製品を最適化していくといった意味)」と呼んでいます。何年あるいは何十年と当社の製品やサービスを利用されていても、その機能や品質が常に最新のものに進化するようにアップグレードし続けるということです。
阿部川 キックスモーラーさんは現在、製品とソリューションに関するマーケティング担当のバイスプレジデントでいらっしゃいます。ご自身の最も重要な役割は何だとお考えですか?
キックスモーラー氏 現在は、フラッシュメモリの考え方が業界の主流になってきたと思います。設立当時の私の大切な役割は「フラッシュメモリが優れた技術であり、これが当然次の世代を担うテクノロジーであることを皆さんに理解してもらう」ことでした。それがようやく市場にも浸透してきたのだと思います。とはいえ、まだ現在も多くの顧客がディスクベースの製品を利用していますから、当社には市場開拓の余地が広大にあると考えています。
有望な分野の一つが「ビッグデータ」の利用です。時代は既にIoT(モノのインターネット)に突入していますから、多くの顧客にとってはリアルタイムで分析できることが必要です。そのためにはフラッシュ技術が不可欠だといえます。
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