Windows OS上でLinuxプログラムの実行を可能にするWindows Subsystem for Linux(WSL)が正式版になった。その概要やWindowsプログラムとの連携、日本語の扱いなどについて見てみよう。
Windows OS上でLinuxプログラムの実行を可能にするWindows Subsystem for Linux(WSL)について、今回はWindowsプログラムとの連携や日本語関連の扱いについて注目してみる。
Windows 10のFall Creators Update(以後Windows 10 FCU)では、Linuxのバイナリプログラムをそのまま実行できる「Windows Subsystem for Linux(WSL)」という機能が提供されている。以前はβ版として提供されており、日本語表示などにも問題があったが、Windows 10 FCU以降では正式な機能となって複数のLinuxディストリビューションがサポートされるなど、大きな変更が加わっている。
WSLとは何か、何ができるのかについては、以下の記事も参照していただきたい。
Windows 10 FCUのWSLは、以前のβバージョンと比べると、次のような点が強化されている。
WSLの詳細はここでは触れないが、内部的なアーキテクチャを図にすると次のようになる。
WSLはWindows上でLinuxプログラムを“可能な限り”エミュレーションするという技術である。そのため完全なスタンドアロンのLinuxと比較すると、機能も制限されており、全てのLinuxプログラムが動作するわけでもない。例えば次のような制限がある。
それでもクライアント向けのプログラム、特に開発系や運用系のツールなどは一通り動作するので、システム管理や開発(の補助)、ローカルでのデータ処理用途などには活用できるだろう。
WSLをインストールする方法については、以下のTIPS記事にまとめているので参照していただきたい。なおWSLを利用するには64bit版のWindows 10 FCU以降が必要となっている(32bit版は不可)。
WSLをインストールすると、スタート画面に「Ubuntu」や「openSUSE Leap 42」「SUSE Linux Enterprise Server 12」などのメニュー/アイコンが追加されるので、それをクリックするとそれぞれのディストリビューションのシェル(bash)が起動する。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.