点と点はつながるものです。そこからさかのぼること1年、つまり今から3年前、社内のエンジニアから「大分を拠点に働いている若くて優秀なエンジニアがいる」と紹介されて、現別府支社長の安達さんと出会いました。
最初は業務委託で1年間、ゲーム開発とゲーム機開発のお手伝いをしてもらいました。当時の安達さんは、大分と東京を行ったり来たりしながら複数の仕事を掛け持ちしており、会話の行きつく先はいつも大分推しの「大分ラブ」な思いがあふれ出ている人でした。
安達さんは常々「大分のゲーム開発を盛り上げたい」と熱弁していました。そこに先の2枚の名刺です。名刺を受け取った直後、私は安達さんに「支社長をやってみないか」と打診していました。
安達さんはやりたいことが多くて忙しい人だから断られるかもしれないと思っていました。ところが、優秀なエンジニアが働きやすい環境を目指してきたfuzzの社風を気に入ってくれたようで、とんとん拍子に支社長就任が決まりました。
最初は安達さんの地元の大分市でオフィスを探していました。しかし、安達さんから「Iターン先としては別府市の方が魅力的ではないか」と提案され、「別府支社」のイメージが持つワクワク感に、私はあらがえなくなってしまいました。
そして翌週には、別府駅前のオフィスを契約してしまいました。
別府に支社を設立してみて分かったのは、地元の半端ない期待です。
fuzz別府支社は支社長1人+社員1人の2人体制でスタートしたのですが、別府市が若者の流出を食い止めるべくIT企業誘致に力を入れていることもあり、地元の皆さんに大変歓迎されたのです。
「期待」は行政からもあり、私たちは大分県庁に招かれて、大分県知事と別府市長へ「立地表明」まで行いました。
広瀬県知事は私の父より年上で、幾つも修羅場をくぐり抜けた人特有のオーラが出ていました。一方、長野市長は私より年下で、YouTubeを利用した情報発信やクラウドファンディングを利用した地域おこしイベントを開催するなど、既存の政治の枠にとらわれず次々と新しい手法に挑戦する人です。
立地表明式終了後は、大分県庁で地元新聞社などのメディアから取材されました。fuzzが紙の新聞に掲載されたのは、今のところこれが最初で最後です。「満員電車で疲弊して机に向かっているだけではクリエイティブな仕事はできない。温泉でリラックスしている時にこそ素晴らしいアイデアが生まれる」という私の持論を記事にしてもらい、地元の期待に応えたいという思いがより一層強くなりました。
U&Iターンの理想と現実 大分編、次回は別府支社長の安達さんにバトンタッチして、別府のリアルな話をお伝えします。お楽しみに!
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