ITエンジニアならば、PCとネットワークがあればどこでも働ける――それが本当なら、もっと鳥取にIT企業があっていいはずだし、もっとITエンジニアがいてもいいはずだし、もっとITの教育機関があってもいいはず。なのに、現実は……。U&Iターンの理想と現実、鳥取編は、人口減少に悩む倉吉市で町工場を営むトライアスリートが、鳥取県の「現実」を誠実にお伝えします。
はじめまして、「ミノハラ製作所」の蓑原康弘と申します。鳥取県の真ん中の倉吉市で町工場を経営しています。
別地域の筆者はITエンジニアやIT企業の方ばかりですが、私はITエンジニアではありません。社内のネットワーク環境の構築や、VBAを使って生産現場の管理をしていますが、本業ではありません。でもITに興味があり、アナログチックな生産現場にITを導入するべく日々奮闘しています。
また私は生まれてから約40年間、鳥取県から出て暮らしたことはありません。
しかし、地方の経営者として「人口減少が激しい鳥取県を何とかしたい」「UIターンする人が増えてほしい」という思いは、人並み以上にあります。
鳥取県は、毎年約3000人の人口が減少しており、現在57万人弱の日本で1番人が少ない県です。経済産業省の「地域経済分析」によると、2040年には44.1万人まで減ってしまうそうです。
鳥取県の人口が加速度的に減少していくのには、それなりの理由があるのだと思います。本記事でリアルな情報を見て、皆さんがUIターンをする際の判断材料にしていただければ幸いです。
都市部の方が「鳥取県」でイメージするものは、「鳥取砂丘」でしょうか?
でも、他にも良いところはたくさんあるんです。海は「沖縄か?」と思うほど透き通っており、関西圏からサーファーがたくさん来ます。そのすぐ近くには日本百名山にも指定されている「大山(だいせん)」があり、登山やトレッキング、サイクリングなどのアウトドアに最適な山々が広がっています。その地形を生かして日本初のトライアスロンが開催され、私も数回参加しました。また、20分くらい車を走らせると必ず温泉地があります。
食べ物でしたら、皆さんご存じの「二十世紀梨」「スイカ」「カニ」。他にも「二十世紀梨『以外』の梨」「長いも」「岩ガキ(生食)」「白イカ」「猛者(もさ)エビ」など、おいしい食べ物があります。
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