【 e4defrag 】コマンド――ext4ファイルシステムでデフラグを実行するLinux基本コマンドTips(197)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ext4ファイルシステムでデフラグを実行する「e4defrag」コマンドです。

» 2018年04月05日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回はext4ファイルシステムでデフラグを実行する「e4defrag」コマンドです。

e4defragコマンドとは?

 「e4defrag」は、ext4ファイルシステムの断片化(フラグメンテーション)を検査、解消するコマンドです(※1)。いわゆる「デフラグ」を実行できます。

 Linuxを使い続け、ファイルの作成や削除を繰り返すと、利用していない連続した領域が次第に少なくなっていきます。このときHDDにファイルを保存すると、複数の部分に分かれて保存されることがあります。これを断片化といいます。

 e4defragコマンドは、ディスクの断片化を解消し、ファイルの配置を最適な状態にできます。HDDにファイルを保存する際、連続した領域を利用できるようになるため、ファイルの読み書きに要する時間が短くなります。

※1 ファイルの管理方式や管理方式にのっとってフォーマットした記憶領域のことを「ファイルシステム」という。ext4はファイルシステム自体の更新情報を記録するジャーナリングに対応したファイルシステムであり、システム障害に強い。Ubuntu 14.04 LTSではデフォルトのファイルシステムとなっている。





e4defragコマンドの書式

e4defrag [オプション] 対象……

※[ ]は省略可能な引数を示しています。対象の指定方法は3種類(ファイル、ディレクトリ、デバイス名)。




e4defragの主なオプション

短いオプション 意味
-c 現在の状態を確認する(デフラグを実行しない)
-v 状況を詳しく表示する


フラグメンテーションの状態を確認する

 「e4defrag -c 対象」で、対象がどの程度フラグメンテーションを起こしているのか確認できます(画面1、※2)。「対象」にはファイルやディレクトリ、デバイスを指定可能です。実行にはroot権限が必要です(連載第68回)。

 例えば、「/home」を確認したい場合は「e4defrag -c /home」のようにします。

※2 画面1と画面2は、Ubuntu 14.04 LTSで実行した結果を用いた。



コマンド実行例

e4defrag -c 対象

(対象がどの程度フラグメンテーションを起こしているか確認する)

e4defrag -c /home

(/homeの状態を確認する)


画面1 画面1 フラグメンテーションの状態を表示したところ 画面下部の「Fragmentation score」が56以上の場合、デフラグの必要がある。


デフラグを実行する

 「-c」オプションなしで実行すると、最適化を実行します(画面2)。実行にはroot権限が必要です。

コマンド実行例

e4defrag 対象

(対象を最適化する)

e4defrag /

(/を最適化する)(画面2


画面2 画面2 フラグメンテーションを解消(デフラグ)したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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