本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、XFSファイルシステムのパラメータを変更する「xfs_admin」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回はXFSファイルシステムのパラメータを変更する「xfs_admin」コマンドです。
「xfs_admin」は、XFSファイルシステムのパラメータを変更するコマンドです(※1)。例えばボリュームラベルやUUID(Universally Unique IDentifier、汎用一意識別子)を設定、変更できます(※2)。
Ubuntu 14.04 LTSでは、XFSファイルシステム用のパッケージがデフォルトでインストールされていません。xfs_infoコマンドや「xfs_repairコマンド」(連載第192回)など、XFS用の基本コマンドは「sudo apt install xfsprogs」でまとめてインストールできます。
※1 ファイルの管理方式や管理方式にのっとってフォーマットした記憶領域のことを「ファイルシステム」と言う。XFSはファイルシステム自体の更新情報を記録するジャーナリングに対応したファイルシステムであり、システム障害に強い。CentOS 7のデフォルトのファイルシステムはXFS。
※2 UUIDはシステムがランダムに自動生成するほぼ確実に一意な数値である。長さは128ビット。UUIDを指定してデバイスを探すコマンドとしてfindfs(第181回)がある。
xfs_admin [オプション] デバイス名
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 意味 |
---|---|
-L ラベル | ボリュームラベルを設定する |
-l | 現在のボリュームラベルを表示する |
-U 識別子 | UUIDを設定する |
-u | 現在のUUIDを表示する |
-f ファイル | デバイスではなくイメージファイルを指定する |
※3 この他、ジャーナルのフォーマットを変更するオプション(-j)などがある。
「xfs_admin -L ラベル デバイス名」でボリュームラベルを設定できます。実行にはroot権限が必要です(第68回)。さらにマウント中のデバイスはボリュームラベルを変更できません。
画面1では、「-L」オプションでボリュームラベルを設定した後に、「-l」オプションでボリュームラベルを確認しています。
xfs_admin -L ラベル デバイス名
(ボリュームラベルを設定する)
xfs_admin -L data /dev/sdb1
(/dev/sdb1のボリュームラベルを「data」にする)(画面1)
xfs_admin -l /dev/sdb1
(/dev/sdb1のボリュームラベルを表示する)(画面1)
「-U」オプションでUUIDを変更、「-u」オプションで現在のUUIDを表示します。表示の場合のみ、マウント中のデバイスも指定できます。
画面2では、「-u」と「-l」を同時に指定して、UUIDとボリュームラベルを表示しました。
xfs_admin -U 識別子 デバイス
(識別子(UUID)を設定する)
xfs_admin -u デバイス
(UUIDを表示する)
xfs_admin -u /dev/sdb1
(/dev/sdb1のUUIDを表示する)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.