本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、XFSファイルシステムでファイルがどの程度断片化しているかを調べる「xfs_bmap」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回はXFSファイルシステムでファイルがどの程度、断片化しているかを調べる「xfs_bmap」コマンドです。
「xfs_bmap」はディスク領域の配置(ブロックマッピング)情報を表示するコマンドです。ファイルの断片化(フラグメンテーション)を調べるために使用します。
サイズが大きなファイルや何度も変更を加えたファイルは、記憶メディア上の連続した領域に格納されていないことがあります。複数の連続していないブロックに保存された状態をファイルの「断片化」と呼びます。多数のファイルが断片化していると、一般にアクセス時間が長くなります。
断片化の情報は「filefrag」コマンド(連載第199回)で調べることもできます。
XFSファイルシステム(※1)のデフラグ(断片化の解消)を実行するには、「xfs_bmap」ではなく、「xfs_repair」コマンド(第192回)を使います。
※1 ファイルの管理方式や管理方式にのっとってフォーマットした記憶領域のことを「ファイルシステム」という。ext2、ext3、ext4、XFSなどの種類がある。
xfs_bmap [オプション] ファイル名……
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 意味 |
---|---|
-a | 拡張属性のマッピング情報を表示する |
-l | ブロック数も併せて表示する(512バイトのブロックとして表示、「-v」オプション指定時は無効) |
-n 個数 | 表示するエクステント(論理的な管理の単位)の個数を指定する |
-v | 詳細情報を表示する |
「xfs_bmap ファイル名」で指定したファイルが断片化されているかどうかを表示します(画面1)。複数のファイルを指定できます。「-v」オプションでは詳細情報が表示します。
調べたいファイルに対して読み込み権限があれば、一般ユーザーの権限で実行できます。
xfs_bmap ファイル名
(指定したファイルの断片化情報を表示する)
xfs_bmap logfile.bin
(logfile.binの断片化情報を表示する)(画面1)
xfs_bmap -v logfile.bin
(logfile.binの断片化情報について詳細情報を表示する)(画面1)
画面2では、「xfs_bmap」コマンドで断片化の状況を確認した後に、「xfs_fsr」コマンドでデフラグを実行し、再度「xfs_bmap」コマンドでファイルの状況を表示しました。
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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