TISは機械学習に向けた教師データ作成ツール「doccano」をオープンソースソフトウェアとして公開した。テキスト分類、系列ラベリング、系列変換という3つの基本的なタスクで使用するデータを作成しやすいという。
TISは2018年11月6日、自然言語処理や機械学習に向けた教師データ作成ツール「doccano(ドッカーノ)」をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開すると発表した。GitHubから入手できる。
doccanoは、機械学習などで教師データに使うラベル付きデータを作成するアノテーションツール。「テキスト分類」、文中の人名や地名などを特定する「系列ラベリング」、要約や翻訳といった「系列変換」という3つの基本的なタスクで使用するデータを作成しやすいという。
これらの基本的なタスクは表計算ソフトなどの帳票ツールでも実行可能だが、例えば系列ラベリングでは文字単位、単語単位でデータを作る必要があるため、帳票ツールだけでは作成が困難だという。
機械学習や自然言語処理の開発には教師データが不可欠だ。ところが教師データの作成は非常に手間がかかる。例えば、TISが公開した上場企業の有価証券報告書をベースに作成したデータセットでも、教師データを作成する際の作業負荷が課題になったという。doccanoを開発したきっかけは、こうした課題を解決することだとしている。
doccanoに残った課題の一つは、ラベル定義を明確にするといったデータ作成における本質的な難しさをサポートし切れていない点にあるのだという。今後は公開したdoccanoについてユーザーからのフィードバックを基に機能を改善する予定だ。自然言語処理や機械学習に必要なデータ作成業務を効率化することで、これらの市場拡大を目指すとしている。
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