本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、フォントのキャッシュファイルを更新する「fc-cache」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、フォントのキャッシュファイルを更新する「fc-cache」コマンドです。
「fc-cache」はフォントのキャッシュファイルを更新するコマンドです。
Linuxでは、システムで使用するフォントの情報をあらかじめキャッシュファイルに展開しています。「fc-cache」は、このキャッシュファイルを更新します。
フォントの追加や削除を行った際に役立つ他、X Window System環境で文字の表示がおかしくなった際に実行すると改善する場合があります。
fc-cache [オプション] [フォントディレクトリ名]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-f | --force | フォントのキャッシュファイルをタイムスタンプにかかわらず全て更新する |
-r | --really-force | フォントのキャッシュファイルを全て削除した後に、更新する |
-s | --system-only | システム全体用のフォントディレクトリだけを対象とする |
-v | --verbose | 確認中のディレクトリを表示しながら実行する |
「fc-cache」で、フォントのキャッシュファイルを更新します。キャッシュファイルはデフォルトで「/var/cache/fontconfig/」下に保存されています。fc-cacheを実行すると、タイムスタンプを参照しながら、必要なものだけを更新します(※1)。
※1 キャッシュ用のディレクトリは「/etc/fonts/fonts.conf」で設定する。
全てのキャッシュファイルを更新したい場合は「-f」(--force)オプションを使い、既存のフォントキャッシュファイルを全て削除してから更新したい場合は「-r」(--really-force)オプションを指定します。
fc-cacheを実行してもメッセージは表示されません。処理中のフォントディレクトリを表示させたい場合は「-v」(--verbose)オプションを使います(画面1)。
fc-cache
(フォントキャッシュを更新する)
fc-cache -f
(全てのフォントキャッシュを更新する)
fc-cache -fv
(処理中のフォントディレクトリを表示しながら全てのフォントキャッシュを更新する)(画面1)
一部のフォントファイルだけを書き換えた場合には、対象を特定してキャッシュファイルを更新すると処理が早く終わります。具体的には、引数に更新対象のディレクトリを指定して実行します。
画面2では、「-f」オプションと「-v」オプションを指定した上で、CentOS環境の「VL ゴシック」フォントのディレクトリ(/usr/share/fonts/vlgothic/)を対象に、更新を実行しています。
なお、インストールされているフォントファイルのパスは「fc-list」コマンド(連載第264回)で確認できます。
fc-cache ディレクトリ名
(指定したディレクトリのフォントを更新する)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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