本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、端末をクリアする「clear」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、端末をクリアする「clear」コマンドです。
「clear」は端末の表示内容を消す(クリアする)コマンドです。画面に表示されている文字をクリアし、プロンプトは画面の1行目に表示されます。
なお、bashの標準設定では、「CTRL」+「L」で、clearコマンドと同じ効果を得ることができます。
clear
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
clearコマンドには一般的なオプションはありません。
「clear」を実行すると、端末画面に表示されていた文字がクリアされ、プロンプトが画面の1行目に表示された状態となります(画面1、画面2)。
なお、clearコマンドは表示内容を削除するのではありません。仮想端末など、スクロールできる環境の場合、上にスクロールするとクリアされた内容を表示できます(画面3)。画面を開いた直後と同じ状態にしたい場合はresetコマンド(連載第290回)を使用します。
clear
(端末をクリアする)
clearコマンドを他の端末にリダイレクトすることで、指定した端末をクリアできます。
X環境で端末を2画面実行している環境を用意し、clearコマンドを実行しました(画面4)。psコマンド(第6回)で端末番号を確認し、「pts/0(最初に開いた端末)」を、「pts/1(次に開いた端末)」からクリアしています。
なお、pts/0の画面はクリアされますが、pts/0で実行中のlessコマンドは終了しません。
clear > 端末名
(他の端末をクリアする)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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