BlackBerry Cylanceが全世界で実施した、AIを活用したセキュリティに関する調査によると、AIを活用したセキュリティは今まで以上に効果があると考えているセキュリティ担当者が多いことが分かった。
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BlackBerry Cylanceは2019年5月21日、AI(人工知能)を活用したセキュリティに関する調査「Security Gets Smart with AI」の結果を発表した。それによると、サイバーセキュリティ担当者の85%がAIを活用したセキュリティは今まで以上に効果があると考えていることが明らかになった。
業界にかかわらずどの調査回答者も未知の脅威を識別する精度を高めるためにAIの採用を検討している段階だった。回答者はAIを活用したセキュリティツールに対して「より効果的かつ総合的な保護のアプローチ」「脅威インテリジェンスを収集して利用する体制の向上」「感染から修復までの時間の短縮」「異常な動作を知らせるリアルタイムアラート」「既存の投資や人的アナリストのさらなる活用」を実現するものといった印象を持っていることが分かった。
多くのセキュリティ担当者が、高度な脅威検知やマルウェア防御から、意思決定管理や法令順守まで、幅広い課題にAIセキュリティソリューションが役立つと考えていることも分かった。AIの採用率が最も高いのは一般的なサイバー防御の領域で、BlackBerry Cylanceによると、これは脅威の検知や防御、対処にAIを応用するアプローチの需要が今後も高いことを示唆しているという。
同調査では、AIの応用技術やAIを活用したセキュリティツールの利用経験などについても調査した。
まず、AIを活用したソリューションと考えられている技術は、回答が多かったものから順に「予測分析」の76.2%(複数回答、以下同)、「ディープラーニングプラットフォーム」の73.5%、「機械学習プラットフォーム」の73.0%だった。
次に、AIを活用したセキュリティツールの使用事例として回答が多かったものは、順に「サイバー防御」の75.2%、「マルウェア防御」の70.5%、「高度な脅威の検知と防御」の68.6%だった。
一方、AIを活用したセキュリティツールの利用経験では、回答者の57%が「AIを活用したセキュリティソリューションの採用を進めている、または採用を予定している」と答えたのに対して、「AIを活用したセキュリティプラットフォームを直接経験したことがある」と答えた回答者は35%にすぎなかった。回答者の46%が「AIを活用したセキュリティソリューションの成熟度はますます高まる」と考えていたが、BlackBerry Cylanceは技術の成熟不足が採用の障害になっていると分析している。
BlackBerry Cylanceで製品マーケティング担当バイスプレジデントを務めるSasi Murthy氏は「多くの企業がセキュリティ脅威に対して『事後対応型』でなく、『予測・適応型』防御のツールを求めていることから、AIを活用したセキュリティソリューションは今後も注目を集めるだろう。高度な脅威のリスクを低減する上で、AIベースの予測型セキュリティはもはや選択肢の一つではなく、必須要件だ」と述べている。
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