用語「PoC貧乏」について説明。AIテクノロジー企業にとって、PoCばかりを行い、実際のプロジェクトが何も開始できない事態を指す。
「PoC貧乏」は、「PoC(概念実証)」の関連用語である。
PoCを行って、「実際にプロジェクトに資金を投資して実施するかどうか」を判断する。これによってAI・機械学習のプロジェクトを「発注」するクライアント企業は、不確実性の高いAI・機械学習の分野で、多額の資金をムダにつぎ込むのを防ぎながら、効果的にAI・機械学習プロジェクトを進められる。
一方で、AI・機械学習のプロジェクトを「受託」するAIテクノロジー企業では、PoCばかりを行い、実際のプロジェクトが何も開始できないという事態が起こりやすくなる。PoCの費用をAIテクノロジー企業が被ることが多いため(もしくはPoC自体の費用が安価に設定されているため)、PoCによって逆にお金が稼げなくなる「PoC貧乏」が多発している。
PoC貧乏は、AIビジネスを手掛ける企業にとっての頭痛の種となっているだけでなく、AIテクノロジーの普及・発展を妨げる要因として社会問題視されており、クライアント企業や日本社会においての損失でもある。PoC貧乏を生まないためには、クライアント企業はAI・機械学習に関する知識を深め、AIテクノロジー企業はビジネス面で契約方法などを洗練させる必要があるだろう。
ちなみに、発注者側がPoCばかりに資金を投入することを「PoC貧乏」と表現する場合もあるが、通常は本稿の説明どおり、AIテクノロジー企業側が損をすることを指すので注意してほしい。
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