ブラウザオンリー、パブリックIPなしで安全に仮想マシンに接続できる「Azure Bastion」プレビュー開始Microsoft Azure最新機能フォローアップ(83)

Azure仮想マシンのパブリックIPアドレスを使用せずに、Azureポータルから仮想マシンに直接RDPまたはSSH接続を可能にする新しいフルマネージドサービス「Azure Bastion」のプレビュー提供が開始されました。

» 2019年06月28日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

Azure Bastion、それはクローズドなネットワークを護る要塞ホスト

 「Azure Bastion」は、Azure仮想マシンで利用する、プライベートIPアドレス空間の仮想ネットワークにプロビジョニングされるリモート管理用の一種のゲートウェイです。「Bastion」(バスティン、バスティオン)は「要塞(ようさい)」を意味する言葉です。

 Azure Bastionは、クローズドな仮想ネットワークへの外部からのアクセスを遮断しながら、仮想ネットワーク上の任意のWindows仮想マシンに対するリモートデスクトッププロトコル(RDP)によるリモートデスクトップ接続と、Linux仮想マシンに対するSSH接続を可能にします。

 通常、AzureにWindowsまたはLinux仮想マシンをデプロイする場合は、リモート管理用にパブリックIPアドレスを割り当て、RDPまたはSSHのポートに対する外部からの受信を許可します。そして、ローカルPCのリモートデスクトップ接続クライアントやSSHクライアントを使用してコンソールやシェルに接続します(画面1)。

画面1 画面1 通常、Windows仮想マシンに接続するには、AzureポータルからRDPファイルをダウンロードして、リモートデスクトップ接続する。しかし、リモート管理用のポートの許可は、セキュリティ侵害のリスクを伴う

 この仮想マシンのリモート管理用ポートは、ポートスキャンの対象となるため、セキュリティ侵害のリスクを伴います。そのため、攻撃面を縮小するために、仮想ネットワーク上の1台の仮想マシンにのみパブリックIPアドレスを割り当て、ゲートウェイ的に利用している場合もあるでしょう。

 攻撃面を縮小するには「Azure Security Center」の「Just-In-Timeアクセス」を使用して、必要時にのみ受信を許可することも推奨されています(Azure Security Centerの有料のStandardプランが必要)。

 この他、Azureポータルから仮想マシンの「シリアルコンソール」に接続し、WindowsのSAC(Serial Administrative Console)やLinuxのローカルコンソールと対話する「帯域外接続」機能を利用するという方法もあります。シリアルコンソール接続はパブリックIPアドレスを必要としませんが、RDPやSSH接続と比べると操作性や機能に制限があります。

 Azure Bastionを使用すると、Azure仮想マシンをポートスキャンから完全に遮断できます。Azure仮想マシンをインターネットから完全に遮断されたクローズドなネットワーク環境で利用するのに便利な新しいリモート管理手段になるでしょう。

Azure Bastionを利用するには?

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