米国の企業の採用プロセスは、日本のそれとは少し違います。
まず、「新卒一括採用」というシステムはほとんどありません。そもそも、企業のHR(Human Resources=人事部)が、社員の希望を無視して採用や配属、異動を決めることはありません。
HRの仕事は、給与計算や福利厚生に関わる事務作業。採用を決めるのは現場の社員です。ですから、入社したい企業があるのなら、現場の社員にアピールすることが重要です。
シリコンバレーでの就転職活動。始めの一歩は、専門職向けのSNSや転職サイトにプロファイル、スキル、職務経験を登録することです。現在米国で最も一般的なサービスは、「LinkedIn」です。
米国での就転職活動で最も大事なアイテムは、「レジュメ(職務経歴書)」です。転職サービスへの登録と同時に、企業に直接送付するための「詳細なレジュメ」を「PDF」で用意しましょう。
英文レジュメの書き方は、@ITの記事などを参考にしてください。
IT業界の場合は特に職務経歴を重視します。いわゆるCV(Curriculum Vitae レジュメ)やカバーレターなどの体裁にこだわる必要はありません。
学歴は最終学歴のみで十分です。学部学科名だけでなく専攻や卒論の内容も簡単に書きましょう。何より「どんなスキルを持っていて」「どんなプロジェクトをこなしてきたか」が簡潔に書かれていることが重要です。
プロファイルをLinkedInに登録すると、週に何通かこんな感じのスカウトメールが求人企業から送られてきます。
エル様
こんにちは、私はABC社でリクルーターをしております×××と申します。当社は△△△テクノロジーに特化した現在シリコンバレーで最も急速に伸びている企業です。つい先日も新たにXXX万ドルを調達しました。業務拡大に伴ってあなたのような経験とスキルを持ったITエンジニアを至急求めています。
つきましてはわが社の現在のプロジェクトについてぜひお話ししたいので、今週お時間があればお電話したいのですがご都合はいかがでしょうか。もしあなたが転職にご興味がなかった場合は失礼をお許しください。またご友人にわが社について興味がある方がいらっしゃればぜひお知らせください。その場合は御礼として……(以降略。全て英語)
スカウトやヘッドハンティングと聞くと、「自分はそんなに求められているエンジニアなのか!」と狂喜しそうになりますが、送り主はキーワードでヒットしたプロファイルの人物にテンプレートを自動で送っているだけです。興奮し過ぎてはいけません。実際、速攻でレジュメを添付して返信しても、無視されることがままあります。
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