待ちの就転活から攻めの就転活へ。スカウトメールを待つだけではなく、企業のWebサイト内の求人ページから直接応募もしてみましょう。
しかし、過度の期待は禁物です。有名な巨大IT企業には、毎週何千何万とレジュメが送られてくるそうです。とてもじゃないけれど、担当者が全てに目を通すことは不可能です。あなたが送ったレジュメは、社内システムのどこかに自動的に保存されているでしょう。
人材を募集する採用マネジャーは、中古車でも探すように、レジュメプールを「パラメータでフィルタリング」したり「キーワードでサーチをかけ」たりして数を絞り、選抜されたレジュメにおもむろに目を通し、バッチ処理でテンプレのスカウトメールを送るのです。
従って、レジュメ作成で大切なのは、きれいな英文を書くことではなく、得意な言語、OS、ツール、フレームワークといった「キーワード」をちりばめて、採用側のフィルターやサーチに引っ掛かることです。
シリコンバレー生活が長くなると、中途採用が入社してきたり、同僚が転職していったり、人の入れ替わりが日常茶飯事に起こります。そういった「元同僚」や「先輩」から入社のお誘いをいただくことは“よく”あります。
中にはチームごと丸ごとごっそり引き抜かれることもあります。同じプロジェクトで働いた戦友たちは運命共同体と思って日ごろから情報交換が重要です。
運良く採用担当者と電話で話ができれば、第一関門突破です。
次は「コーディング面接」へと進みます。コーディング面接は、オフィスに呼ばれて与えられた課題にホワイトボードを使って回答する、いわゆる「ホワイトボード面接」が主流でしたが、最近は「Google Docs」や「Collaboedit」のようなオンラインエディタを、さらにはブラウザベースな面接専用のIDEを使ってインターネット越しに行うことも多いようです。
オフィスに呼ばれる場合は、小さな部屋に数人の試験官が1人ずつ交代でやってきます。簡単な質疑応答などした後、試験官から課題が出され、それを目の前で解きながら説明します。
試験官といっても実は普通のエンジニア、つまり採用された後は同僚となる人です。1人の試験官が1時間ほどかけるので、面接全体で半日から1日かかることもあります。
面接での課題は、文字列や配列のポインタの操作、線形リストやバイナリツリーの並び替えや探索など、教科書にあるような基本的なアルゴリズムの理解とコーディング力を問う問題です。
きちんと勉強して冷静に考えれば特に難解ではないのですが、メモも何もみずにホワイトボードに手書きでコードを書くとなると緊張して固まってしまいがちです。
目の前の業務に忙殺される日々を送っていると、アルゴリズムから縁遠くなりがちです。米国での就転職を狙うなら、普段から時々教科書を読み直すとよいでしょう。
コーディング面接を突破すると、晴れて入社のオファーをもらえます。
しかし、入社できたからといって安心してはいけません。ビジネス環境の変化や業績次第で、頻繁に人員の再配置やレイオフも行うのがシリコンバレーです。常日ごろから自分のスキルアップに時間をかけ、突然の変化に備える必要があります。
連載「さよなら、シリコンバレー」。次回は「シリコンバレーで働くエンジニアの英語力」をお伝えします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.