AWSジャパンはオンライン記者説明会を開き、在宅勤務を支援するAWSの製品を説明した。説明会には仰星監査法人 公認会計士の金子彰良氏が登壇し、AWSを活用した在宅勤務の姿を語った。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2020年4月23日、オンライン記者説明会を開催。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としての在宅勤務を支援する「Amazon Web Services」(AWS)の製品を説明した。説明会には、仰星監査法人 パートナーで公認会計士の金子彰良氏が登壇し、AWSが提供するサービスを活用した在宅勤務の姿を語った。
仰星監査法人は2015年にAWSが提供するフルマネージド型の仮想デスクトップサービス(VDI)「Amazon WorkSpaces」を採用。全従業員分のアカウントと端末を提供し、現在は在宅勤務体制に移行しているという。Amazon WorkSpacesの採用に至った背景とその効果について金子氏は次のように話す。
「2015年以前は、各拠点のオンプレミスで運用するサーバ内にデータを保管し、持ち出すPCの中に監査資料などの重要なデータを保存していた。そのため、重要情報の漏えいリスクがあった。そこでVDI導入を検討する中でAmazon WorkSpacesを知り、導入を決めた。業務に必要なデータは『Amazon EC2』や『Amazon S3』に集約するようにした。業務に関係するデータを全てAWSに置くことで、情報の漏えいリスクを軽減できた。端末を利用してAmazon Workspacesに接続できる場所ならどこでも働けるというワークスタイルが確立できたことも、現在の在宅勤務の実現につながっている」
一方、新型コロナウイルス感染対策の一環として在宅勤務体制を検討する中で課題に上がったのが、被監査企業との資料の受け渡しだ。
「監査調書の作成に必要な資料を紙で受け取ることは少なくない。被監査企業から書類を直接受け取るようなフローが残ったままでは、感染対策として在宅勤務に移行しても効果が薄くなってしまう」(金子氏)
そこで、被監査企業の協力を得て、フルマネージド型のファイルストレージサービス「Amazon WorkDocs」で構築した専用のサイト上、もしくは被監査会社が用意する外部ストレージ経由で書類を受領するよう切り替えた。同社では、Amazon WorkDocsで、監査チームのメンバーと被監査企業のみがアクセスできる個別のサイトを構築し、監査調書の作成に必要な被監査企業が持つ資料を受領できるようにしているという。
金子氏は、今回の在宅勤務体制の構築において、ITの対応(AWSとそれ以外)、業務面の対応を以下のように振り返った。
「しかし、クラウドを活用した書類受け渡しを監査法人が希望しても、被監査企業が導入に慎重な姿勢をみせるケースも少なくない。感染状況を踏まえながら随時往査し、関わる人員を最小限に抑えるなど工夫して業務を進めている」(金子氏)
新型コロナウイルスの感染対策の一環として、企業は在宅勤務の実現や業務フローの見直しなどを迫られている。アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術統括本部レディネスソリューション本部本部長の瀧澤与一氏は「現在多くの顧客から、テレワークに関する相談が寄せられている」と話す。
同社はAmazon WorkSpacesなど、テレワークを支援する製品の条件付き無料提供を開始している。またパートナー各社がAWSを活用して無償提供しているサービスをまとめた「日本おうえんプロジェクト」の公開を通じて、日本企業の事業継続を支援する。
「今後も、AWSは何を提供できるのか、顧客の声を集めてより一層継続的に取り組んでいく」(瀧澤氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.