Oracleは、「Java 15」の一般提供を開始した。新機能の「エドワーズ曲線デジタル署名アルゴリズム」(EdDSA)と隠しクラスの追加など、14の主要な機能強化/変更が特徴だ。
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Oracleは2020年9月15日(米国時間)、「Java 15」の一般提供を開始したと発表した。Java 15は、2017年9月に発表された6カ月ごとのリリーススケジュールに従った6番目の機能リリースだ。
Javaは1995年の発表から25周年を迎えている。世界のフルタイム開発者の69%超がJavaを使用しており、世界で510億のアクティブJVM(Java仮想マシン)がデプロイされていることを引き合いに出し、OracleはJavaを「ナンバーワンプログラミング言語」とうたっている。
OracleはJava 15を、「Oracle OpenJDK 15」と「Oracle JDK 15」という2種類の形で提供している。Oracle OpenJDK 15のライセンスは、オープンソースライセンスである「GPLv2+CPE」(クラスパス例外付きGNU General Public License v2)だ。
OracleはOracle JDK 15を商用サポートが必要な企業や、Oracle製品、サービスの一部としてOracle JDKを使用する企業向けに商用ライセンスで提供している。Oracle JDK 15はOracleのCPU(Critical Patch Updates)スケジュールに従う。今後「Oracle JDK 16」に取って代わられる前に最低2回更新する予定だ。
「Java 16」は2021年3月に一般提供を開始する予定だ。「Oracle OpenJDK 16」は既に早期アクセスビルドがjdk.java.netで提供されている。
Oracle JDKの最新の「長期サポート(Long Term Support:LTS)」リリースは、2018年9月にリリースされた「Oracle JDK 11」で、これに続くLTSリリースとして、「Oracle JDK 17」が2021年9月に登場する予定だ。
Java 15ではJDK Bug System(JBS)に報告された2136件の不具合のうち、1702件がOracleの従業員によって修正されている。434件の修正は、個人の開発者や他社の従業員などの貢献によるものだ。
Java 15には14の主要な機能強化/変更が施されている。ここには新機能、インキュベーターモジュール、プレビュー機能、機能の非推奨化、機能の削除が含まれる。こうしたJavaの機能はJDK Enhancement Proposal(JEP)で定義されている。
Java 15で追加された新機能と完成したプレビュー機能は次の通り。
RFC 8032で規定されたEdDSAを使った暗号署名の実装により、セキュリティとパフォーマンスを高める。
実行時にクラスを生成し、リフレクションによって間接的に使用するフレームワークとJavaの連携を改善し、生産性を向上させる。
複数行の文字列リテラルを追加し、予測可能な方法で文字列を自動的にフォーマットすることで、開発生産性を向上させる。
スケーラブルで低レイテンシのガベージコレクタを本番環境で利用できるようになった。
Java 15では、開発者コミュニティーからフィードバックを得るために、シールドクラス(JEP 360)がプレビュー機能として初めて提供され、instanceofのパターンマッチング(JEP 375)とレコード(JEP 384)のプレビュー機能とし提供されている。
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