【Windows 10】Ctrl+Vと間違えてCtrl+Cを押してクリップボードを消してしまったらTech TIPS

[Ctrl]+[C]キーを押した後に[Ctrl]+[V]キーを押すつもりで、また[Ctrl]+[C]キーを押してしまい、クリップボードの中身を失ってしまった……。そんな操作ミスは誰にでも経験があることだろう。こうした操作ミスをしてしまっても、簡単にリカバリーできる方法を紹介しよう。

» 2020年12月25日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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対象:Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)以降


[Ctrl]+[V]キーのつもりで[Ctrl]+[C]キーを押した場合のリカバリー方法 [Ctrl]+[V]キーのつもりで[Ctrl]+[C]キーを押した場合のリカバリー方法
[Ctrl]+[V]キーでペースト(貼り付け)するつもりが、誤ってまた[Ctrl]+[C]キーを押してしまうのは、誰もがよくしてしまうミスではないだろうか。[Ctrl]+[C]キーを続けて押してしまっても、事前に設定を行っておけば、簡単にリカバリー可能だ。その方法を紹介しよう。

 Windows 10を使っていて最もよく使うキーボードショートカットは、カット/コピー&ペーストの際の[Ctrl]+[X]/[C]/[V]キーであることに異論がある人はほとんどいないだろう。テキストや画像をコピーして、別の文書などにペースト(貼り付ける)といった作業で、いちいちアプリケーションの[編集]メニューを開いて、[コピー]や[貼り付け]を選ぶ人は少ないはずだ。

 [Ctrl]+[X]/[C]/[V]キーは非常に一般的なキーボードショートカットであり、キーの位置も[X][C][V]キーと並んでいることから、素早く操作できるというメリットがある([C]キーは、Copyの「C」で、[X]と[V]キーは押しやすいように意図的に「C」の左右のキーにしたというのが通説だ)。

 逆に近いために、[Ctrl]+[C]キーを押した後に[Ctrl]+[V]キーを押すつもりで、また[Ctrl]+[C]キーを押してしまうという操作ミスも起こりがちだ。このとき、何も選択されていない状態であれば、クリップボードが上書きされることがないため、改めて[Ctrl]+[V]キーを押せば、[Ctrl]+[C]キーでクリップボードに入れたテキストなどを貼り付けることが可能だ。

 しかし、テキストを置き換えるつもりで選択した状態では、選択したテキストがクリップボードにコピーされてしまい、ペーストしたかったテキストが失われてしまう。[Ctrl]+[C]キーでコピーした場合は、また元のテキストを[Ctrl]+[C]キーでコピーすればいいが、[Ctrl]+[X]キーで元のテキストを切り取ってしてしまった場合は最悪だ。

 こうした操作ミスをしてしまっても、作業が継続できるように事前に設定を行ったり、ツールをインストールしたりしておくとよい。その方法を紹介しよう。

「クリップボードの履歴」を有効にしておく

 Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)以降では、クリップボードの機能が拡張され、「クリップボードの履歴」と呼ばれるヒストリー機能が実装されている。この機能を有効にしておけば、間違って[Ctrl]+[C]キーを2回押してしまっても、以前にクリップボードにコピーした内容を呼び出すことができるため、再び元に戻ってコピーするなどの必要はない。

 「クリップボードの履歴」は、[Windowsの設定]アプリの[システム]−[クリップボード]画面を開き、「クリップボードの履歴」欄のスイッチを「オン」にしておき、有効にしておく。

「クリップボードの履歴」を有効にする 「クリップボードの履歴」を有効にする
[Windowsの設定]アプリの[システム]−[クリップボード]画面を開き、「クリップボードの履歴」欄のスイッチを「オン」にする。これで「クリップボードの履歴」機能が有効になり、以降、複数のクリップボードのデータが保持できるようになる。

 [Ctrl]+[C]キーを間違って2回押してしまったら、[Windows]+[V]キーで「クリップボードの履歴」を開き、貼り付けたいクリップボードをクリックすればよい。

「クリップボードの履歴」を使う(1) 「クリップボードの履歴」を使う(1)
[Windows]+[V]キーで「クリップボードの履歴」を開き、ここからペーストしたいテキストなどを選択する。
「クリップボードの履歴」を使う(2) 「クリップボードの履歴」を使う(2)
「クリップボードの履歴」でテキストなどを選択すると、すぐにペーストされる。そのため、事前に貼り込みたい位置にカーソルを置いておく必要がある。

 「クリップボードの履歴」の詳細な使い方については、Tech TIPS「【Windows 10】『クリップボード履歴』を活用する」を参照してほしい。

クリップボードツール「Clibor」をインストールしておく

 「クリップボードの履歴」機能は、Windows 10の標準機能なので[Windowsの設定]アプリで有効にすれば利用可能だ。ただ、機能としては、クリップボードをさかのぼることが可能な程度と豊富とはいえない。

 より機能が豊富な機能を持つクリップボードツールが配布されているので、こうしたツールを使うという手もある。ここでは、千草氏が開発・配布しているフリーソフトウェア(寄付歓迎)の「Clibor」を代表として取り上げておく。

 Cliborは、クリップボードの履歴機能の他、定型文を登録しておいて随時呼び出すことができるなど、Windows 10の「クリップボードの履歴」よりも豊富な機能を持っている。

 以下のURLで配布元の千草ウェブをWebブラウザで開き、[Vectorからダウンロード]または[窓の杜からダウンロード]のいずれかのボタンをクリックして、それぞれのWebサイトから「clibor.zip」をダウンロードする。

 「clibor.zip」を適当なフォルダに展開し、「Clibor.exe」を実行すると、CliborがWindows 10に常駐して機能するようになる。

CliborがWindows 10に常駐させる(1) CliborがWindows 10に常駐させる(1)
ダウンロードした「clibor.zip」を適当なフォルダに展開して、「Clibor.exe」を実行する。
CliborがWindows 10に常駐させる(2) CliborがWindows 10に常駐させる(2)
初回のみこのダイアログが表示され、Windows 10にCliborが常駐する。

 [Ctrl]キーを2回押すと、Cliborを呼び出せる。クリップボードの履歴が表示されるのでカーソルキーやマウスで選択して、[Enter]キーもしくはクリックすると、選択した内容がクリップボードの先頭にコピーされるので、[Ctrl]+[V]キーでペーストすればよい。

 Windows 10の「クリップボードの履歴」では、履歴をクリックするとペーストされたが、Cliborでは直接ペーストされずにクリップボードの先頭に貼り込まれる(コピーされる)という動作の違いがある点に注意してほしい。また、「クリップボードの履歴」はテキストだけでなく、画像なども履歴の対象となるが、Cliborはテキストだけしか履歴が保存されない。

 「クリップボードの履歴」とCliborは共存可能なので、両方有効にしておき、用途に合わせて使い分けるといいだろう。

Cliborを使う(1) Cliborを使う(1)
[Ctrl]キーを2回押すと、Cliborが起動する。クリップボードの履歴(ただしテキストのみ)が一覧表示されるので、ペースとしたいテキストを選択する。
Cliborを使う(2) Cliborを使う(2)
Cliborは、履歴からテキストを選択しただけでは反映されないので、[Ctrl]+[V]キーでペーストする。

 Cliborでは、正規表現を使ってテキストを整形したり、定型文と登録しておいて呼び出したりすることなども可能だ。使い方は、千草ウェブの「Cliborの使い方」を参照してほしい。

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