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» 2021年11月02日 05時00分 公開

4つのタイプ別「あの人と分かり合えない理由」と「対処法」仕事が「つまんない」ままでいいの?(83)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

「具象化」と「抽象化」――思考のクセ

 「コミュニケーションのタイプ」に違いがあるように、人にはどうやら、物事を理解する上で「思考のタイプ」にも違いがあるようです。

 前回、この連載で身に付けると仕事に役立つ「抽象化」思考のススメというお話をしました。抽象化とは、物事を「大きな視点で俯瞰(ふかん)的に捉える」こと。大きな視点で俯瞰的に捉えることによって「全体の構造」を把握できます。

 一方、物事の捉え方には、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」など、物事を細かく、具体的に捉える「具象化」(あるいは「具体化」)という考え方もあります。

 本来、抽象化と具象化は両方大切な捉え方で、どちらかができればいいというものではありません。一方で、実際には「そもそもさぁ」のように、その上位にある目的や意味を考える(つまり、抽象化)ことが得意なタイプと、「何から始めるべきか、もっと具体的に考えましょうよ」のように、物事をより詳細に、具体的に捉える(つまり、具象化)ことが得意なタイプもいます。

 このように、人には「思考のクセ」があるので、「この人は、抽象化と具象化、どちらが得意なのかな?」のように観察しながら関わると、少し違った形で相手を理解することができるでしょう。

4つの分類で自分や相手を考察してみよう

 人が、物事を理解する上で「サクッと結論重視」と「じっくりプロセス重視」、「抽象化重視」と「具象化重視」という、さまざまなタイプがあるというお話をしてきました。ここからはこれらを4つにまとめて、それぞれの「コミュニケーションの特徴」を見ていきましょう。

「結論×具象化」タイプ

 物事の結論を、できれば具体的に、論理的に知りたいタイプです。仕事は端的に進めたいため、テキストでのやりとりが得意。まさに、エンジニアに多いタイプです。

 一方で、結論や具体化を先急ぐあまりに、周囲からはやや「冷たい感じ」に受け取られる恐れがあります。

「結論×抽象化」タイプ

 物事の結論を大枠で考えるのが得意なタイプです。「これは、○○のためにやっているんだよね」といった、物事のゴールイメージをビジョナリーに描きながらも、その目的や意味をしっかりと捉えることができます。

 一方、このタイプは、ビジョナリーであるが故に、「将来はこんなふうにしていきたいんだ」という思いははっきりとしているものの、「具体的に、どうすれば?」まで、描けていない場合があります。「具体的に、どうすれば」を考え、相手に伝えることで、コミュニケーションギャップが減らせる可能性があります。

「プロセス×具象化」タイプ

 「これは、こうするとこうなる。それで、こうなるとああなる」といった、プロセスで考えるのが得意なタイプです。また、そのプロセスを具体的に考えるのが得意なため、仕事の指示も的確です。

 一方、プロセスははっきりしているものの、「そもそも、何のために?」が明確ではない場合があります。「それをする目的」を伝えないと、ややもすると周囲が不安を抱いたり、プロジェクトが途中で空中分解したりしてしまう恐れがありますので、注意してください。

「プロセス×抽象化」タイプ

 このタイプは、物事をプロセスで捉えるのが得意で、「そもそも、何のために」を考えるのが好きです。物事を前に進めるときには、自身の中に「納得感」や「目的、意味」が必要で、それを得るために「みんなで話し合う」といったプロセスを重視します。

 一方、納得感や話し合いを重視し過ぎると、ややもすると周囲の人から「くどい」と思われたり、過度に「その目的は? 意味は?」と納得感を得ようとして「めんどくさい」と思われたりする恐れがあります。もし「周囲から理解されない」と感じたら、「つまり、結論は何で」「具体的にはこうする」といった、自分にはない思考パターンを考え、意識的に周囲に伝えることで、コミュニケーションギャップを埋めることができるでしょう。

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