IDC Japanは、DXに関する動向調査の国内と世界の比較結果を発表した。日本の企業はDXを進める上での課題に悩んでいる段階だが、世界の企業はDXを実装してビジネス的効果を計測している段階にあることが分かった。
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IDC Japan(以下、IDC)は2021年11月2日、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する動向調査の国内と世界の比較結果を発表した。
これは同社が実施している「IDC DX Sentiment Survey」の国内と世界の結果を比較し、国内企業のDXの状況について分析したもの。それによると、日本の企業はDXを進める上での課題に悩んでいる段階だが、世界の企業はDXを実装してビジネス的効果を計測している段階にあることが分かった。
DXの進捗(しんちょく)を測る指標(KPI:Key Performance Indicator)を見ると、「標準的な指標(売り上げ、利益、効率性、投資対効果など)」や「カスタマーアドボカシー(顧客からの支持)」「従業員のアドボカシー(従業員からの支持)」など項目について世界の企業の回答率が高かった。
IDCはそれぞれの結果について次のように分析する。
「標準的な指標に対する回答率の高さは、世界の企業がDXを実装しビジネス的効果を計測している段階に進んでいることを表している。カスタマーや従業員のアドボカシーに対する回答率の高さはDXという企業全体の改革の影響を内部と外部環境から計測している」
DX推進上の課題については「必要な技術を持った人材の不足」が国内企業の42.0%を占める一方、世界の企業は22.7%で19.3ポイントの開きがあった。「推進するリーダーシップの不足」については、国内企業では26.0%で課題として認識が高いが、世界の企業は8.8%となっており、IDCは「世界の企業ではリーダーシップは不足していない」と考察している。
国内企業と比べて世界の企業は「実施のための予算が不足」や「変革に対する社内の抵抗」を課題として挙げる割合が多く、IDCは「世界の企業はリーダーシップの下にDXを推進している段階にあり、社内組織からの変革に対する抵抗や変革を実現するための予算不足に直面している」としている。
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