本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-ADReplicationAttributeMetadata」コマンドレットを解説します。
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本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、Active Directoryドメインコントローラー間で行われる複製の状況を確認する「Get-ADReplicationAttributeMetadata」コマンドレットです。
「Get-ADReplicationAttributeMetadata」は、PowerShellを利用してActive Directoryのドメインコントローラー間での複製に関する情報を参照するコマンドレットです。ドメインコントローラーの複製に関する情報は、コマンドプロンプトの「repadmin」コマンドでも確認できますが、PowerShellではパイプを活用して必要な情報だけを切り出して表示することが可能です。
Get-ADReplicationAttributeMetadata [オプション]
オプション | 意味 |
---|---|
-Object | Active DirectoryオブジェクトのDNを指定する |
-Server | 接続先となるサーバ名を指定する |
-ShowAllLinkedValues | 複数の値を持つ属性情報を全て表示する。省略可能 |
Get-ADReplicationAttributeMetadataコマンドレットは、「-Object」オプションでオブジェクトのDN(Distinguished Name:Active Directoryオブジェクトの識別名)を、「-Server」オプションで接続先のサーバを指定して実行することで、指定したオブジェクトの情報を参照できます(画面1)。
Get-ADReplicationAttributeMetadata -Object "CN=Domain Admins,CN=Users,DC=contoso,DC=com"
Get-ADReplicationAttributeMetadataコマンドレットは、-Objectオプションと-Serverオプションに続けて「-ShowAllLinkedValues」オプションを指定することで、それぞれの属性に複数の値がある場合、全ての値を表示します(画面2)。
Get-ADReplicationAttributeMetadata -Object "CN=Domain Admins,CN=Users,DC=contoso,DC=com" -ShowAllLinkedValues |ft AttributeName,AttributeValue,LastOriginatingChangeDirectoryServerIdentity
Get-ADReplicationAttributeMetadataコマンドレットでは、-Objectオプションを利用する代わりに「Get-ADObject」コマンドレットで複数のオブジェクト情報を取得して、その結果を基に実行することができます。
ここでは、複数のグループオブジェクトの中から特定の日付に設定変更を行ったものを探し出し、オブジェクト名(グループ名)を表示させます(画面3)。
Get-ADObject -Filter 'objectclass -eq "group"' | Get-ADReplicationAttributeMetadata -Server dc16 | Where-Object {$_.lastoriginatingchangetime -like "*10/03/2021*"} | Format-Table object
株式会社ソフィアネットワーク取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Active DirectoryやActive Directoryフェデレーションサービス(AD FS)など、ID管理を中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Directory Servicesを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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