プログラミングに自信はある でも、飯は食えなかった人の話仕事が「つまんない」ままでいいの?(86)(1/4 ページ)

エンジニアは「手に職がある仕事」です。「手に職があると、一生食いぱっぐれない」と思っていませんか? でも、技術力を磨いているだけでは、そうでもないのかもしれません。

» 2022年02月16日 05時00分 公開

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 エンジニアは「手に職がある仕事」です。「手に職があると、一生食いぱっぐれない」なんていわれます。

 30歳前後のプログラマーだったとき、私もそのように思っていました。「とにかく、技術力を身に付けよう。技術力があれば仕事の声が掛かる。将来もそれほど困らないだろう」と。

 というよりも、プログラマーであることが生きがいでした。でももし当時の自分に声を掛けられるとしたら、こう言ってあげたいです。

 「手に職があると、一生食いぱっぐれない? そうだったら、いいけどね」

キャリアに不安を感じる人たち

 あなたは「今後のキャリア」について、不安を感じることはありますか?

 実は、2021年あたりから、今後の働き方や将来のキャリアについて話を聞いたり、相談を受けたりする機会が増えてきました。

 キャリアについて悩むことは、いまに始まったことではないと思います。20代なら「特にやりたいことがあるわけではないけれど、このまま何となく働いていていいのだろうか?」、30代なら「ある程度経験を重ねて、できることは増えたけれど、明確なビジョンがない」といった課題は、多くの人が抱える悩みではないでしょうか。

 一方で最近聞こえてくる声は、これまでの悩みと少し違って「いまの延長で、将来は本当に大丈夫なのだろうか?」のように、深刻度が増した感じです。「働き方」というよりは、「生き方」といってもいいかもしれません。

 相談を受ける相手は、「私の仕事は社内でしか通用しないから、どうすればいいか困っている」という広義の技術系の仕事をしている人もいれば、かつての私のようなITエンジニアの人もいます。

 なぜ多くの人が、今後のキャリアに悩んでいるのでしょうか? それは、「働き方の常識」が変わりつつあるから、のようです。

「働き方の常識」が変わることで、生じる不安

 これまでの「働き方の常識」といえば、こんな感じでした。

  1. 学校で基本的な知識を身に付ける
  2. 20歳前後で社会人になり、自立して生活する
  3. 20代後半〜30代前半まで現場でキャリアを積む
  4. 30代中盤〜40代前半でリーダーや管理職になる
  5. 50代中盤で役職定年を迎える
  6. 60代中盤で退職する
  7. 定年後は、退職金や年金で悠々自適に暮らす
  8. 80歳前後で人生を全うする

 こういった形が、いわゆるサラリーマンの「働き方の常識」であり、ロールモデルでした。

 しかし、ここに来て「人生100年時代」といった話を見聞きするようになりました。今までのロールモデルと比較すると、20年ぐらい長生きする計算になります。

 また、これまでにはなかった「45歳定年制」といった話も、まことしやかにささやかれるようになりました。さすがに、現段階で「45歳ですね。お疲れさまでした」と、キャリアをいきなり「パツン」と切られることはないでしょう。でも「この先、大丈夫かな」と、漠然とした不安に襲われます。家庭があったら、子どもがいたら、なおさらです。

 しかもいままでだったら、「定年後は年金をもらって悠々自適な生活をエンジョイ!」のはずでしたが、少子高齢化が進む今後は、どれぐらい年金をもらえるかも定かではありません。

 いままでより長く生きるらしい。でも、会社は守ってくれないかもしれない。年金も……となると、不安を抱くのも当然でしょう。

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