エンジニアは「手に職がある仕事」です。「手に職があると、一生食いぱっぐれない」と思っていませんか? でも、技術力を磨いているだけでは、そうでもないのかもしれません。
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エンジニアは「手に職がある仕事」です。「手に職があると、一生食いぱっぐれない」なんていわれます。
30歳前後のプログラマーだったとき、私もそのように思っていました。「とにかく、技術力を身に付けよう。技術力があれば仕事の声が掛かる。将来もそれほど困らないだろう」と。
というよりも、プログラマーであることが生きがいでした。でももし当時の自分に声を掛けられるとしたら、こう言ってあげたいです。
「手に職があると、一生食いぱっぐれない? そうだったら、いいけどね」
あなたは「今後のキャリア」について、不安を感じることはありますか?
実は、2021年あたりから、今後の働き方や将来のキャリアについて話を聞いたり、相談を受けたりする機会が増えてきました。
キャリアについて悩むことは、いまに始まったことではないと思います。20代なら「特にやりたいことがあるわけではないけれど、このまま何となく働いていていいのだろうか?」、30代なら「ある程度経験を重ねて、できることは増えたけれど、明確なビジョンがない」といった課題は、多くの人が抱える悩みではないでしょうか。
一方で最近聞こえてくる声は、これまでの悩みと少し違って「いまの延長で、将来は本当に大丈夫なのだろうか?」のように、深刻度が増した感じです。「働き方」というよりは、「生き方」といってもいいかもしれません。
相談を受ける相手は、「私の仕事は社内でしか通用しないから、どうすればいいか困っている」という広義の技術系の仕事をしている人もいれば、かつての私のようなITエンジニアの人もいます。
なぜ多くの人が、今後のキャリアに悩んでいるのでしょうか? それは、「働き方の常識」が変わりつつあるから、のようです。
これまでの「働き方の常識」といえば、こんな感じでした。
こういった形が、いわゆるサラリーマンの「働き方の常識」であり、ロールモデルでした。
しかし、ここに来て「人生100年時代」といった話を見聞きするようになりました。今までのロールモデルと比較すると、20年ぐらい長生きする計算になります。
また、これまでにはなかった「45歳定年制」といった話も、まことしやかにささやかれるようになりました。さすがに、現段階で「45歳ですね。お疲れさまでした」と、キャリアをいきなり「パツン」と切られることはないでしょう。でも「この先、大丈夫かな」と、漠然とした不安に襲われます。家庭があったら、子どもがいたら、なおさらです。
しかもいままでだったら、「定年後は年金をもらって悠々自適な生活をエンジョイ!」のはずでしたが、少子高齢化が進む今後は、どれぐらい年金をもらえるかも定かではありません。
いままでより長く生きるらしい。でも、会社は守ってくれないかもしれない。年金も……となると、不安を抱くのも当然でしょう。
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