Windows 11ではIPアドレスの設定方法が変更になりましたTech TIPS

ルーターの初期設定などを行う際、特定のIPアドレスにWindows 11を設定しなければならないことがある。Windows 10までは、ネットワーク設定UIの深いところにあり、設定が面倒だった。Windows 11では、この点が改善され、[設定]アプリでIPアドレスの設定が可能になった。その方法を紹介しよう。

» 2022年03月31日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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対象:Windows 11


IPアドレスを手動で割り当てる方法教えます IPアドレスを手動で割り当てる方法教えます
ルーターの初期設定などの際にWindows 11のIPアドレスを手動で設定しなければならないことがある。Windows 10までは、ネットワークアダプターのプロパティで設定しなければならず、少々面倒であった。Windows 11では、[設定]アプリでもIPアドレスの設定が可能になっている。その方法を紹介しよう。

 通常、LANやインターネットに接続する際、Windows OSのIPアドレスはDHCPによって自動で割り振られるため手動で設定する必要はない(DHCPによるIPアドレスの取得がデフォルトになっているため)。しかし、ルーターの初期設定を行う際やネットワークのトラブルが発生した際などには、IPアドレスを手動で設定しなければならないことがある。

 これまでは、IPアドレスを手動設定するには、ネットワークアダプターのプロパティを開き、[ネットワーク]タブで、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」のプロパティを開く必要があった。ネットワークアダプターのプロパティを開くまでの階層が深いことから、IPアドレスの手動設定はかなり手間に感じたはずだ。

 Windows 11では、[設定]アプリ内でIPアドレスの確認や設定が可能になり、大幅に少ない工数で設定できるようになった。

 本Tech TIPSでは、Windows 11でIPアドレスを手動で設定する方法を紹介しよう。

[設定]アプリでIPアドレスを設定する

 IPアドレスを設定するには、前述の通り、[設定]アプリで行う。[設定]アプリの[ネットワークとインターネット]画面は、通知領域(インジケーター領域)で[ネットワーク]アイコンを右クリックし、表示された[ネットワーク設定とインターネット設定]をクリックすることで素早く開くことができる。[設定]アプリを起動し、左ペインで[ネットワークとインターネット]を選択して、[ネットワークとインターネット]画面を開いてもよい。

 [ネットワークとインターネット]画面が開いたら、上部のネットワークアダプターの大きなアイコンの下か左にある[プロパティ]をクリックする。[ネットワークとインターネット > イーサネット]画面もしくは[ネットワークとインターネット > Wi-Fi > <SSID>]画面が開く(接続しているネットワークの種類による)。

 「IP割り当て」項目の[編集]ボタンをクリックすると、[ネットワークIP設定の編集]ダイアログが開くので、[自動(DHCP)]のプルダウンリストを開き、[手動]を選択する。「IPv4」と「IPv6」のスイッチが表示されるので、設定したい方のスイッチを「オン」にする(通常、手動によるIPアドレスの設定を求められるのは「IPv4」の方だろう)。

 「IPv4」のスイッチを「オン」にすると、「IPアドレス」「サブネットマスク」「ゲートウェイ」などの設定項目が表示されるので、IPアドレスなどを入力し、[保存]ボタンをクリックすればよい。

[設定]アプリでIPアドレスを設定する(1) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(1)
通知領域の[ネットワーク]アイコンを右クリックし、表示されたメニューを選択する。
[設定]アプリでIPアドレスを設定する(2) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(2)
[設定]アプリの[ネットワークとインターネット]画面が開くので、[プロパティ]をクリックする。
[設定]アプリでIPアドレスを設定する(3) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(3)
「IP割り当て」欄の[編集]ボタンをクリックする。
[設定]アプリでIPアドレスを設定する(4) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(4)
[ネットワークIP設定の編集]ダイアログのプルダウンリストを開き、[手動]を選択する。
[設定]アプリでIPアドレスを設定する(5) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(5)
「IPv4」のスイッチを「オン」にして、IPアドレスなどを入力、[保存]ボタンをクリックする。
[設定]アプリでIPアドレスを設定する(6) [設定]アプリでIPアドレスを設定する(6)
手動で設定したIPアドレスなどがすぐに反映される。

 これで、IPアドレスが手動で設定したものに変更される(再起動は不要)。

 DHCPに戻すには、[IP設定の編集]ダイアログを開いて、プルダウンリストで[自動(DHCP)]に戻せばよい。

ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する

 従来のWindows OSと同様、ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定することも可能だ。

 [コントロールパネル]の[ネットワークと共有センター]をクリックし、[ネットワークと共有センター]ダイアログを開く(コントロールパネルの開き方は、Tech TIPS「Windows 11では『コントロールパネル』がなくなったの? いいえ、あります」参照のこと)。[ネットワークと共有センター]ダイアログの左ペインで[アダプターの設定の変更]をクリックする([Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「名前」入力ボックスに「ncpa.cpl」と入力して、[Enter]キーを押すことでも開くことができる)。

 [ネットワーク接続]ダイアログが開くので、IPアドレスを設定したいネットワークアダプターを右クリックし、表示されたメニューの[プロパティ]を選択する。すると、[<ネットアークアダプター>のプロパティ]ダイアログが開くので、「この接続は次の項目を使用します」欄で[インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)]を選択、[プロパティ]ボタンをクリックする。

 [インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)のプロパティ]ダイアログが開くので、「次のIPアドレスを使う」を選択し、その下の「IPアドレス」「サブネットマスク」「ゲートウェイ」「優先DNSサーバー」を入力し[OK]ボタンをクリックする。「代替DNSサーバー」がISPなどから指定されている場合は、それも入力する。

ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(1) ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(1)
[コントロールパネル]を開き、[ネットワークと共有センター]をクリックする。
ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(2) ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(2)
この画面が開くので、左ペインで[アダプターの設定の変更]をクリックする。
ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(3) ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(3)
[ネットワーク接続]画面が開くので、アダプターを右クリックし、メニューの「プロパティ]を選択する。[Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「名前」入力ボックスに「ncpa.cpl」と入力して、[Enter]キーを押すことでも、この画面を開くことができる。
ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(4) ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(4)
<ネットアークアダプター>のプロパティ]ダイアログが開くので、「この接続は次の項目を使用します」欄で[インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)]を選択、[プロパティ]ボタンをクリックする。
ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(5) ネットワークアダプターのプロパティでIPアドレスを手動で設定する(5)
[インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)のプロパティ]ダイアログが開くので、「次のIPアドレスを使う」を選択し、その下の「IPアドレス」「サブネットマスク」「ゲートウェイ」「優先DNSサーバー」を入力し[OK]ボタンをクリックする。

netshコマンドでIPアドレスを手動設定する

 頻繁に特定のIPアドレスに設定したいのであれば、バッチファイル(コマンド)を使って変更できるようにするとよい。IPv4アドレスを前提として、その方法を紹介する。

 [スタート]ボタンを右クリックしてクイックアクセスメニューを開き、[Windowsターミナル(管理者)]を選択し、Windowsターミナルを管理者権限で起動する。Windowsターミナルの[v]をクリックし、プルダウンリストで[コマンドプロンプト]を選択して、コマンドプロンプトを開く([Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「名前」入力ボックスに「cmd」と入力して、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]キーを押すことで、管理者としてコマンドプロンプトを開いてもよい)。

 コマンドプロンプトが表示されたら、以下のコマンドラインを入力して実行する。

netsh interface ip set address "<インタフェース名>" static <IPアドレス> <ネットマスク> <ゲートウェイ>


手動でIPアドレスを設定するコマンド

 上記の<インタフェース名>は、「netsh interface ip show config」を実行することで確認できる。インタフェース名は、有線ネットワークだと「Ethernet0」「イーサネット」など、無線LANだと「Wi-Fi」などとなっているはずだ。netshコマンドを使ったIPアドレスの設定方法は、Tech TIPS「【Windows】netshコマンドでTCP/IPのパラメータを設定する」を参照してほしい。

netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(1) netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(1)
[スタート]ボタンを右クリックし、クイックアクセスメニューを開き、[Windowsターミナル(管理者)]を選択する。
netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(2) netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(2)
[v]をクリックし、開いたメニューの[コマンドプロンプト]を選択する。
netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(3) netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(3)
「netsh interface ip show config」を実行して、インタフェース名を確認する。
netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(4) netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(4)
確認したインタフェース名を指定しつつ、netshコマンドでIPアドレスを設定する。
netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(5) netshコマンドでIPアドレスを手動設定する(5)
netshコマンドで設定したIPアドレスがすぐに反映される。

 また「優先DNSサーバー」「代替DNSサーバー」を手動で設定するには、次のコマンドラインを実行する。

netsh interface ip set dnsservers "<インタフェース名>" static <優先DNSサーバー>
netsh interface ip add dnsservers "<インタフェース名>" <代替DNSサーバー>


手動で「優先DNSサーバー」「代替DNSサーバー」のIPアドレスを設定するコマンド

 DHCPに戻すには、以下のコマンドを実行すればよい。

netsh interface ip set address "<インタフェース名>" dhcp
netsh interface ip set address "<インタフェース名>" dhcp
netsh interface ip set dnsservers "<インタフェース名>" dhcp


IPアドレスの設定をDHCPに戻すコマンド

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