ガートナージャパンは、日本企業のDX分野でのアウトソーシング動向に関する調査結果を発表した。同社は、社外リソースを活用する際は管理体制の対策が必要で、社内外の両面で能力を最大限引き出していくための施策がこれまで以上に重要になるとしている。
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ガートナージャパンは2022年6月8日、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の分野でのアウトソーシング動向に関する調査結果を発表した。
DXの取り組み状況について聞いたところ、ガートナージャパンが用意した8つの分野について過半数の企業が取り組みを進めていることが分かった。中でも取り組んでいる企業の割合が高かったのは、「既存のビジネスにおけるコスト削減やオペレーションの効率化」(74%)、「データやITインフラなどの基盤の整備」(69%)、「既存の商品やサービスの機能や品質の強化」(67%)だった。
ガートナージャパンの中尾晃政氏(アナリスト シニアプリンシパル)は次のように述べている。
「DXの取り組みは分野によって主導する部門が異なっている。既存の業務システムの改革が必要な分野ではIT部門が主導して進める企業が多く、新規製品やサービスの開発は関連する事業部門や顧客マーケティング部門などが連携して取り組んでいる」
ただ、各部門が連携することで新たな課題も生まれている。中尾氏によると、IT部門を介さずに社外のベンダーやサービスを利用するケースが増えているという。同氏は「IT部門の立ち位置を明確化し、関連部門との合意形成の下、ベンダー選定や契約、パフォーマンス管理などの側方支援の施策を検討していくことが重要だ」と述べている。
DXにおけるアウトソーシングの利用状況について聞くと、DXの進捗(しんちょく)状況によってその割合は異なっていた。
進捗状況を「戦略・企画立案」「設計・開発・実装」「運用・管理・保守」という3つのフェーズで分けた場合、戦略・企画立案フェーズについては社内リソースを中心として進めている企業が約60%を占めた。それに対して後工程となる設計・開発・実装フェーズでは、「大部分を社外のリソースに委託している」と回答した割合が48%だった。
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