サポート期間が延びるのでWindows 11にしたいけど、[スタート]メニューが気に入らない、という人は意外と多いのではないだろうか。そんな人も、[スタート]メニューを以前のWindows OS風に変更できるツールを使えば、Windows 11でWindows 7/10風の[スタート]メニューが使える。そうしたツールを幾つか紹介しよう。
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対象:Windows 11
「Windows 11」にしたいけど、大きく変わったユーザーインタフェースが心配、特に[スタート]メニューに不安がある、という人も多いのではないかと思う。また、Windows 11にしたものの、[スタート]メニューに不満があるという人もいることだろう。
残念ながら、Windows 11の[スタート]メニューをWindows 10風にするような設定はない。デフォルトで中央にある[スタート]ボタンなどを左側に移動する程度だ。[スタート]ボタンなどを左側に移動するには、[設定]アプリを起動し、左ペインで[個人用設定]を選択し、右ペインで[タスクバー]をクリックする。[タスクバー]画面に切り替わったら、[タスクバーの動作]を展開し、「タスクバーの配置」のプルダウンリストで[左揃え]を選択すればよい。
無償でWindows 11の[スタート]メニューを従来のWindows OS風にするには、「Open-Shell-Menu」を使う方法がある。Open-Shell-Menuは、以前「Classic Shell」という名称で提供されていたツールで、その後、オープンソースとなり「Open-Shell-Menu」としてGitHubで開発が継続している。
原稿執筆時点では、Windows 7/8/8.1/10向けとされており、正式にはWindows 11に対応していないようだ。編集部で試したところ、一部に不具合はある(後述)ものの、機能的には十分利用可能な状態であった。そのため、この点を留意の上、利用してほしい。
Open-Shell-Menuは、GitHubで公開されている。WebブラウザでGitHubの「Open-Shell/Open-Shell-Menu」ページを開き、「README.md」欄の[DOWNLOAD]ボタンをクリックする。開発履歴のページが開くので、ここの「Assets」欄の「OpenShellSetup_<バージョン番号>.exe」をクリックしてダウンロードする。原稿執筆時点の最新版は、「OpenShellSetup_4_4_170.exe」であった。
なおMicrosoft Edgeでは、ダウンロードがブロックされてしまうことがあるようだ。その場合は、Google Chromeなどを利用してダウンロードするようにしよう。
「OpenShellSetup_<バージョン番号>.exe」を実行すると、[WindowsによってPCが保護されました]というMicrosoft Defender SmartScreenによるダイアログが表示されるので、[詳細情報]リンクをクリックし、表示された[実行]ボタンをクリックする(GitHubからダウンロードしたものでない場合は、ウイルスが混入されている危険性があるので、実行しないこと)。
これで、インストールウィザードが起動するので指示に従って進めればよい。途中、インストールするモジュールについて選択できる画面が表示されたら、「Classic Explorer」と「Classic IE」の2つの項目は不要なので、それぞれクリックして「Entire feature will be unavailable」を選択するとよい(この2項目をインストールすると、エクスプローラーに余計なOpen-Shell-Menuのアイコンなどが表示されるようになる)。
インストールが完了したら、[スタート]メニューの[すべてのアプリ]画面で、[Open-Shell]−[Open-Shell Menu Settings]を選択し、[Settings for Open-Shell Menu]ダイアログを開く。
このダイアログの[Start Menu Style]タブの「Replace Start button」にチェックを入れると、タスクバーの左端にOpen-Shell-Menuの[スタート]ボタンが表示される。これをクリックすると、Windows 7風の[スタート]メニューが表示されるようになる。
単純にOpen-Shell-Menuをインストールしただけでは、タスクバーの左端にOpen-Shell-Menuの[スタート]ボタンが表示された上、中央にWindows 11の[スタート]ボタンが表示された状態となってしまう。
これでは使いにくいので、Windows 11の[スタート]ボタンを左端表示にして、Open-Shell-Menuの[スタート]ボタンの下に隠れるように設定しよう。
左端表示にするには、前述の通り、[設定]アプリの[個人用設定]−[タスクバー]画面を開き、[タスクバーの動作]にある「タスクバーの配置」のプルダウンリストで[左揃え]を選択すればよい。
これでWindows 11の[スタート]ボタンが隠れて、結果、Open-Shell-Menuの[スタート]ボタンのみが表示された状態となる。単純にOpen-Shell-Menuの[スタート]ボタンが上に表示されてるだけなので、Open-Shell-Menuの[スタート]ボタンの左下あたりをクリックすればWindows 11の[スタート]メニューが表示されるし、右クリックするとクイックアクセスメニュー(WinXメニューなどとも呼ばれる)を開くこともできる。
Open-Shell-Menuの設定ダイアログは、デフォルトで英語表示となっている。利用には問題ないが、項目名などが分かりにくいので、日本語化しておくとよい。
それには、GitHubの以下のページを開き、画面をスクロールして、「Additional Languages」欄の「Japanese」の「ja-JP.DLL」をクリックしてダウンロードする。その際、Microsoft Edgeではダウンロードがブロックされるので、Google Chromeを利用すること。Google ChromeでもDLLを直接ダウンロードするため、「この種類のファイルは……」という警告が表示される。この警告が表示されたら、[保存]ボタンをクリックして「ja-JP.DLL」をダウンロードする(繰り返しになるが、GitHubからダウンロードしたものでない場合は、ウイルスが混入されている危険性があるので、保存しないこと)。
ダウンロードした「ja-JP.DLL」は、Open-Shell-Menuをインストールしたフォルダ(デフォルトは、C:\Program Files\OpenShell)にコピーすればよい。コピーする際、管理者権限を要求するダイアログが表示されるので、[続行]ボタンをクリックしてコピーを行う。
Windows 11を再起動し、Open-Shell-Menuの[スタート]ボタンを右クリックして、[設定]を選択すると、日本語化されたOpen-Shell-Menuの設定ダイアログが表示されるはずだ。
細かな設定を行う場合は、「全ての設定を表示する」にチェックを入れると、隠れていたタブが表示され、[メインメニュー]タブなどでメニューに表示する項目の設定などが行えるようになる。
Open-Shell-Menu以外にも、有償にはなるが「StartAllBack」や「Start11」といった以前のWindows OS風の[スタート]メニューを実現するツールがある。どちらも30日間の試用が可能なので、使ってみて気に入った方を購入すればよい。ちなみに、1台当たりのライセンス料は、StartAllBackが4.99ドル(約650円)、Start11が905円である。
以下、この2つのツールの試用版のインストール方法を簡単に紹介する(試用後、ライセンスを購入して継続利用することも可能)。
StartAllBackは、Windows 7風の[スタート]メニューに加えて、Windows 10風のタスクバーやエクスプローラー、コンテクストメニューを実現するツールだ。
以下のWebページを開き、[Download <バージョン番号>]ボタンをクリックすると、インストーラーの「StartAllBack_<バージョン番号>_setup.exe」がダウンロードできる。
ダウンロードした実行ファイルを実行すると、[スタート]メニューなどが置き換わる。同時に[StartAllBack configuration]ダイアログが表示され、[スタート]メニューやタスクバーなどの設定が行える。
Start11は、[スタート]メニューをWindows 7/10/11風に変更できるツールだ。今回取り上げたツールで唯一、Windows 10風の[スタート]メニューにできるのが特徴だ。
以下のWebページを開き、[Get it Now]ボタンをクリックすると、「Purchase Start11」ページが開くので、[Try free for 30-days]リンクをクリックすると、インストーラーの「Start11_setup.exe」がダウンロードできる。
ダウンロードした実行ファイルを実行すると、プロダクトキーの入力や購入を求めるダイアログが表示されるので、ここで[30日トライアルを開始する]ボタンをクリックする。メールアドレスの入力が求められるので、有効なメールアドレスを入力して、[続ける]ボタンをクリックする。入力したメールアドレスに「Stardock Support Services」からメールが届くので、[Activate 30-Day Trial]ボタンをクリックしてアクティベート(認証)する。
インストールが完了すると、[スタート]ボタンが左端に移動し、Windows 7風の[スタート]メニューに切り替わる。メニューの形式は、インストール完了後に開く[Stardock Start11 Configuration]ダイアログで好みのものを選択すればよい。
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