35歳からのキャリア――中堅世代こそ「Will、Can、Must」を考えよう仕事が「つまんない」ままでいいの?(90)(2/4 ページ)

» 2022年06月15日 05時00分 公開

35歳前後になるとバランスが崩れて不安になる

 しかし、35歳前後になると、会社から求められるMustが変わってきます。本音では「技術的な仕事が好き」「ずっと現場に関わっていたい」と思っているのに、周囲から期待されるのは「お金の管理」「後輩の育成」「開発の標準化」「チームビルディング」など管理の仕事が増え始めます。技術的な仕事が好きな人は、「Will、Can、Mustのバランスが崩れてきた」と感じるかもしれません。

 これは、私が32歳ぐらいのときのベン図です。気持ち的には、「生涯エンジニアでいたい」のに、求められるのはマネジメントの仕事です。けれども、その経験がなく、どうしたらいいのか分からず、不安です。また、やりたいのは技術的な仕事なので、Will、Can、Mustのバランスが崩れて「このままでいいのかな?」と思っていました。

35歳前後のWill、Can、Must

 もしあなたが35歳前後なら、このようなベン図の人も多いのではないでしょうか。現場と管理職の間で揺れる……みたいな。

 ここからは超個人的な話ですが、技術的な仕事が好きで、マネジメント経験がなく、人をまとめる管理職などやりたくなかった私は、30代前半の、Will、Can、Mustのバランスが良かったときを目指して転職しました。

 しかし、転職は大失敗。人間関係やストレスが多い環境で働くことになりました。やりたいことはあるけれど、求められるのは全く違うことだし、エンジニアとしてのスキルは評価されないしで、テンションがダダ下がり。一気にやる気を失ってしまいました。そのときのベン図はこんな感じ。

転職直後の筆者のWill、Can、Must

 このあと「こんな状態のままで働くのはイヤだ」と思って、管理職の仕事に取り組みました。なぜなら、人間関係が悪い職場だったため、他の若いメンバーも縮こまっていて、「こんなのおかしい!」「何とかしたい!」と思ったからです。

 いろいろと勉強した結果、「働きやすい職場をつくるためには、どうやらコミュニケーションを勉強しないといけないらしい」ということに気が付いて、心理学やコミュニケーションを勉強しました。つまり、管理職としての「できること」を増やしたわけですね。

 その結果、同僚や顧客との関係が改善し、「人の成長を支援する仕事も面白いじゃないか」と感じるようになり、それが、次のやりたいこと(つまり、現在の人材育成の仕事)へと変わっていきました。

管理職にコミットしだしたころの筆者のWill、Can、Must

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。