次の提案は、日ごろから、「『会社のやるべきこと』から『社会のやるべきこと』へのシフト」を考えておくことです。
35歳ぐらいまでは、「会社のやるべきこと」に取り組んでいればよかったけれど、経験を重ねると、何となく「こうすれば、大体こうなるな」ということが分かってきます。そのため、社内ではあまりワクワクしなくなってくるし、次の「やりたいこと」につながる仕事に関わっていくのは、年齢を重ねるにつれて難しくなっていきます。
また、役職を含めて「会社のやるべきこと」との重なりは、小さくなるばかりです。
それならば、「会社のやるべきこと」にこだわるのもいいですが、Will、Can、Mustの重なりを増やし、やりたいことにつなげていくために、「社会のやるべきこと」にシフトしていくのはどうでしょうか。
例えば、私は地方に住んでいますが、地方の企業ではIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの人材が不足していますし、詳しい人がいないので「社会のやるべきこと」が山積しています。このように、いままでの経験を生かして社会のやるべきこと」に取り組んでいくのです。
将来的に、社会の課題を解決できる自分に変化していく。そのためにも、日ごろからWill、Can、Mustを使って、「できることは何で」「社会にはどんなやるべきことがあるのか」を整理しておくわけです。そして、「私はこれが得意で」「こういったところに課題感を感じている」「だから、こうしたい」と、人に話せるようにしておきます。
あなたの「できること」で「社会のやるべきこと」が解決できれば、会社では感じたことのない喜びややりがいを感じるようになります。それが、「やりたいこと」に変わるのです。
だからといって、急に会社を辞めたりはしないでくださいね(笑)。物事には準備がありますから。でも、Will、Can、Mustを使って、これまでの経歴やこれからのキャリアをまとめると、自分を客観的に捉えることができ、今後、何をすべきかが分かるでしょう。また、若いうちからこのようなキャリアを自ら考え、準備しておくといいですね。
最後に、私のリアルなWill、Can、Mustを。
人口減少社会になり、少子高齢化が進み、労働力人口が減っているいま、しかも、企業の体力が減っているにも関わらず、これまでよりも長く働く必要があるいま、かつ、時代にあった働き方のロールモデルがないいま、多くの人が不安を抱き始めているように感じています。
それが、私がいま感じている「社会のやるべきこと」です。
そして、年代に関わらず、1人1人の強みや個性を生かして、もう少し「安心して、長く活躍できるといいな」「労働力をシェアできる仕組みを作って、困っている人のところに、必要な人が届くといいな」「それが、労働者にとっては、次のキャリアにつながるといいな」「そのためには、いままでとは違うキャリア形成が必要そうだな」と思うのです。
このような仕組みを作ることが、現在の「やりたいこと」です。そして、私の「できること」で、「社会のやるべきこと」に取り組んでいけたらいいなと思っています。現在のベン図はこんな感じ。
できることが小さ過ぎる!(笑)。でも、やりがいはあります。
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
鬮「�セ�ス�ェ髯具スサ�ス�ス陝具スカ鬨セ�。�ス�・鬩募鴻蝮ゥ�ス�ゥ�ス�カ髫ー�スツ 鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ闕オ譁溷クキ�ケ譎「�ス�ウ驛「�ァ�ス�ュ驛「譎「�ス�ウ驛「�ァ�ス�ー