「Agile 2018」のテーマから、家事代行サービス選びの失敗に気付く何ができるかよりも、どんな価値が欲しいのか(2/2 ページ)

» 2022年09月07日 05時00分 公開
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多岐にわたるサービスを比較して失敗 その先にあったもの

 ソフトウェア業界ではこういったサービスを比較する場面がよくあり、「星取表」など機能比較表を作って比較をします。今回も同様の方法で機能を比較してみました。

家事代行サービス星取表

 こちらが実際の星取表です(社名が特定できるものはマスクしています)。代行できる家事のスコープに差があり、不在時にも実施してもらえるか、最低利用時間があるかなど、サービスごとにさまざまな付帯的な機能があることが分かりました。

 それらに応じて表の行を増やしていきます。そして調査対象が10件を超えたあたりで気が付きます。「機能が多過ぎて選べない」ということに。

 失敗です。

提供されている機能ではなく、私が困っていることに着目する

 なぜ失敗してしまったのか。理由は簡単で、私が「機能から選ぼうとしたため」です。

 この点で思い出したのは、「Agile 2018」というカンファレンス(※2)のテーマとなった、「Output to Outcome」という考え方でした(※3)。「何をしたのか(Output)」ではなく、「どんな価値をもたらしたのか(Outcome)」に着目せよ、と強調されていました。

 逆にいうと、自分が何かのサービスを選定しようとする際にも、「どんな機能があるか」からではなく、「自分はどんな価値が欲しいのか」から選定しなければ本当の自分のニーズを満たすことはできない、ということに気が付きました。

 そこで、自分が本当に欲しいもの、逆にいうと今困っていることを探求することにします。

 直近では朝の支度に時間がかかることに困っているのですが、その困りごとは他の困りごとに依存して発生している可能性があります。例えば、月曜早朝に起きなければならないのは、給食着のアイロンがけと料理のダブルパンチに対応するのに時間がかかり過ぎるからです。

 であれば、料理代行に作り置きをお願いしてもいいかもしれないし、アイロンがけの家事代行をお願いしてもいいかもしれません(給食着は大体直前に出てくるという問題については、別途対処する必要がありますが)。

 つまり、困りごとを探求するには自分が家事全体で実施しようとしていることのワークフロー全体を見直す必要があることに気が付きます。そこで家事の全体ワークフローの分析を、達人プログラマー(※4)を参考にしながら実施していきます。例えば下記のワークフローを作成しました。

陽太郎さんの家事全体のワークフロー

 各イベントの詳細については、次回以降で考察していきます。ご期待ください。

※3 Agile2018については、参加者から幾つかレポートが上がっているのでご参照ください。例えばAgile2018 参加レポート Day4&5、総括(CyberAgent AI tech studio)です。

今回の参考文献

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高橋陽太郎

リクルート所属。

HR領域のエンジニア組織のグループマネジャーとして、タウンワークをはじめとしたサービスの開発を担っています。並行して、妻の海外留学を経験し、そこで得た知見を社内外で発表しています。また社外では、TDDBCなどのコミュニティー運営にも携わっており、著作として『エキスパートが教えるSelenium最前線』(共著)があります。

Twitter:PoohSunny


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