4人家族の家事育児をワンオペで担うことになった陽太郎さんは、エンジニアリングマネジャーとして学んできたアジャイルの知識を活用して、家事の「何が分からないのか分からない」を整理し、状況がデスマーチであることを把握します。
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こんにちは、リクルートでエンジニアリングマネジャーをしている高橋陽太郎です。
エンジニアリングの知識と経験を総動員してワンオペ家事&育児をカイゼンしていく連載「家事場のシスぢから」。前回は、自分の状況を透明化し、チームのみんなに協力してもらうことで仕事を調整し、家事のスタートラインに立ちました。今回からはようやく家事の中に取り組んでいきます。
連載第1回で、コアの課題として下記の2つを洗い出しました。
前回までは、主に「1」に対しての対策を打ってきました。幸い周囲の協力を得られ、業務の時間調整ができることになりました。そこで、2番目の課題に手を打っていきます。
ただし第1回で記載した「料理に慣れていない」はその通りなのですが、これが本当に課題なのか、他にクリティカルな課題はないのか、といった点はまだ推測の域を出ません。そこでまずは正しい課題認識を持てるように手を打っていきます。
今回も、議論の取っ掛かりとしてスクラムの「検査・適応・透明性」という3本柱(※1)を活用して考えていきます。
スクラムには、検査・適応・透明性という3本柱があります。これらは相互に関係があり、適応するには透明性が必要で、透明性を保つために検査をする必要があります。
しかし検査をしようにも、第1回の最初で記載した通り、唯一のレパートリーが「コーラ豚」の私からすると、「何が分からないのか分からない」というのが正直な状態です。
それではここからどのように始めていけばよいのでしょうか。
まず、「何も分からない=何が分からないのか分からない(Unknown Unknown)」状態から「何が分からないのかは分かる(Unknown)」を増やしていくことが重要です。
これは、不明確なこと、不確実なことを減らすということと同義です。この点、ソフトウェア開発はさまざまな不確実性への対応方法を進化させてきました。例えば下記のようなものです(※2)。
これらの手法に共通するポイントは、推測に基づかず、「実際に検証したもの」を積み重ねる(※4)という経験主義の考え方(※5)です。前回登場したKenの動画で記載されていた内容もこの考え方に通じるものがあると考えています。
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