「Visual Studio Code」の「November 2022」、SSH不要でデスクトップPCや仮想マシンにアクセスできる「リモートトンネル」を利用可能に多数の機能改善でより便利に

Microsoftはクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「November 2022」リリース(バージョン1.74)を公開した。ワークベンチ、アクセシビリティー、ソース管理、デバッグ、言語などの機能が強化されている。

» 2022年12月13日 08時00分 公開
[@IT]

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 Microsoftは2022年12月8日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「November 2022」リリース(バージョン1.74)を公開した。

 VS Codeバージョン1.74では、ワークベンチ、アクセシビリティー、ソース管理、デバッグ、言語、リモート開発、拡張機能のサポートなどの機能が追加、改善されている。

 VS Codeバージョン1.74の変更点は以下の通り。

ワークベンチ

カスタムエクスプローラーでの自動表示

 新しい「explorer.autoRevealExclude」設定により、ファイルとフォルダを開いたときにエクスプローラーで表示および選択されないように、ファイルとフォルダを除外するためのglobパターンを構成できるようになった。

 既定では、「node」および「bower」モジュールを除外する。

ビューコンテナごとのバッジの非表示

 ビューコンテナを右クリックして非表示にできたのと同様に、コンテナ上のバッジ(アクティビティーバー、パネル、セカンダリーサイドバーに表示される)を非表示にできる。バッジは、特定のビューコンテナの数字、アイコン、または進捗(しんちょく)インジケーターを表示することが多く、例えば、ソース管理ビューの保留中の変更数などが表示される。

ソース管理ビューコンテナでのバッジの表示、非表示の切り替え(提供:Microsoft) ソース管理ビューコンテナでのバッジの表示、非表示の切り替え(提供:Microsoft)

マージエディタの改良

 マージエディタの幾つかの改良とバグ修正が行われた。主な改良点は以下の通り。

  • 「元に戻す/やり直し」がコンフリクトの処理状態を追跡する
  • 入力ビューの「無視」アクションを、ベースバージョンを受け入れるために使用できる
  • 両者が同じである変更は自動的に解決される

アクセシビリティー

オーディオキューの利用

 ノートブック実行時のオーディオキュー:ノートブックセルの実行が終了したとき、オーディオキューが再生されるようになった。セルの実行が成功したか失敗したかでキューが異なる。

 差分レビューモードでのオーディオキュー:差分エディタで「次の差分に移動」がトリガーされると、カーソルが挿入された行にある場合と削除された行にある場合でそれぞれ異なるオーディオキューが再生される。

ソース管理

安全でないGitリポジトリの管理

 潜在的に安全でないリポジトリ(現在のユーザー以外のユーザーが所有するフォルダにあるリポジトリ)を開こうとすると、VS Codeはソース管理ビューにウエルカムビューとエラー通知を表示するようになった。ウエルカムビューと通知の両方が「Manage Unsafe Repositories」(安全でないリポジトリの管理)コマンドを表示し、これを用いて潜在的に安全でないリポジトリのリストを確認できる。安全としてマークすると、フォルダを開くことができる。同コマンドはコマンドパレットでも利用可能だ。

デバッグ

JavaScriptデバッガが「console.profile」をサポート

 JavaScriptデバッガが「console.profile」をサポートした。デバッガで実行すると、「console.profile()」から「console.profileEnd()」までのコードに対してCPUプロファイルが収集される。

 作成された「.cpuprofile」ファイルはワークスペースフォルダに保存され、VS Codeのプロファイルビュワーで開いて確認できる。

言語

「return」キーワードで定義へ移動

 JavaScriptとTypeScriptでは、「return」キーワードで「Go to Definition」(定義へ移動)を実行し、関数の先頭に素早くジャンプできるようになった。長くて複雑な関数や、高度にネストされた関数を扱うときに便利な機能だ。

リモート開発

リモートトンネルが利用可能に

 リモートトンネルがプレビュー機能としてサポートされた。リモートトンネルを使用すると、どこにいてもVS Codeクライアントから、SSHを使わずに安全なトンネルを介して、デスクトップPCや仮想マシン(VM)などのリモートマシンに接続できる。

 拡張機能がリモートマシンでコマンドや他の拡張機能を直接実行するので、VS Codeクライアントのマシンにソースコードがある必要はない。

リモートトンネルの仕組み(提供:Microsoft) リモートトンネルの仕組み(提供:Microsoft)

拡張機能のサポート

Just My Code機能によるデバッグがJupyterノートブックのセルで可能に

 「Just My Code」デバッグ機能により、デバッガがPythonライブラリのコードをステップスルーするか、ソースコードのみをステップスルーするかを決められる。これはノートブックセルのデバッグ時に既定で有効になっている。

リモート開発

 「Remote Development」拡張機能パックの導入により、コンテナ、リモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。VS Codeバージョン1.74に対応した拡張機能パックでは、DevコンテナでGPUがサポートされた他、リモートトンネル拡張機能(プレビュー段階)により、SSHを必要とせずにリモートマシンに接続できるようになった。

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