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» 2023年01月27日 05時00分 公開

従来と何が違うのか? WSLがMicrosoft Storeからインストール可能にWindows 11 Trends

WSLがMicrosoft Store経由でインストール可能になった。また、WSLコマンドを使ったインストールでも、デフォルトがMicrosoft Storeと同じバージョンに変更されている。従来のWSLと、Microsoft Store版の違いやメリットなどについて解説する。

[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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WSLが正式にMicrosoft Storeで提供開始に WSLが正式にMicrosoft Storeで提供開始に
WSLが正式にMicrosoft Storeで提供開始となった。WSLコマンドでインストールする場合も、デフォルトはMicrosoft Storeから配布されているバージョンとなっている。従来のWindows 10/11のバージョンとはどのような点が異なっているのだろうか?

 「WSL(Windows Subsystem for Linux)」をインストールするには、当初、[コントロールパネル]の[プログラムと機能]−[Windowsの機能の有効化または無効化]ダイアログを使って「Linux用Windowsサブシステム」を有効化する必要があった(WSL 1の場合)。

 その後、WSLがバージョン2(WSL 2)となり、Windows 10では機能更新プログラムの適用によってWSLコマンドがOS標準搭載となり、コマンドプロンプトでWSLコマンドを使ってインストールが可能になっている(Windows 11では最初からWSLコマンドがOS標準搭載となっている)。

 さらに2022年11月には、長らくプレビュー版としてMicrosoft Store経由で配布されてきたWSLのバージョンが、「1.0」となり、正式提供となっている(原稿執筆時点では、2022年12月1日付のバージョン「1.0.3」の提供されている)。

 従来のWindows 10/11にWSLコマンドを使ってインストールしていたバージョン(Windowsコンポーネント版)とこのMicrosoft Store経由のバージョン(Microsoft Store版)で、WSLをインストールする方法ならびに両者の違いなどについて検証してみた。

WSLをWSLコマンドでインストールする

 WSLコマンドを使って、WSLをインストールするには、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行する。これにより、WSL 2とLinuxディストリビューションのインストールが同時に行える。<Linuxディストリビューション名>に「Debian」とすれば、WSL 2とDebianが一緒にインストールできるわけだ。

wsl --install -d <Linuxディストリビューション名>


WSL 2とLinuxディストリビューションのインストールを行うコマンド
「-d <Linuxディストリビューション名>」を指定しないと、Ubuntuが自動的にインストールされるので注意してほしい。

 なお単に「wsl --install」とすると、デフォルトのLinuxディストリビューションであるUbuntuがインストールされる。Linuxディストリビューションをインストールしたくない場合は、「--no-distribution」オプションを使用する必要がある点に注意してほしい。

 一度、Windows 10/11の再起動後が必要になる。再起動後、Linuxディストリビューションのターミナルウィンドウが自動で開き、Linuxディストリビューションのインストールが行われる。サインイン後、Linuxディストリビューションのインストールが開始されるまで、少し時間がかかるのでしばらく待つことに注意してほしい。インストールが始まらない場合は、手動で[スタート]メニューからLinuxディストリビューションの起動を行うと、インストールが開始される。

WSLコマンドを使ってWSLとLinuxディストリビューションのインストールを行う(1) WSLコマンドを使ってWSLとLinuxディストリビューションのインストールを行う(1)
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、上記のコマンドを実行することで、WSL 2とLinuxディストリビューションのインストールが行える。また、仮想マシンプラットフォームの有効化も実行される。
WSLコマンドを使ってWSLとLinuxディストリビューションのインストールを行う(2) WSLコマンドを使ってWSLとLinuxディストリビューションのインストールを行う(2)
Windows 11なら、[設定]アプリの[アプリ]−[インストールされているアプリ]画面を見ると、Linux用Windowsサブシステムがインストールされていることが分かる。デフォルトでは、後述のMicrosoft Store版と同じものがインストールされることが分かる。

 原稿執筆時点では、WSLコマンドを使ってWSL 2のインストールを行うと、後述のMicrosoft Store版がインストールされる。Microsoft Store版ではなく、Windowsコンポーネント版を使いたい場合は、以下のように「--inbox」オプションを付ける必要がある。

wsl --install --inbox -d <Linuxディストリビューション名>


Windowsコンポーネント版のWSL 2のインストールを行うコマンド

WSLコマンドでWindowsコンポーネント版をインストールする(1) WSLコマンドでWindowsコンポーネント版をインストールする(1)
従来と同様、Windowsコンポーネント版をインストールしたい場合は、「--inbox」オプションを付ける必要がある。
WSLコマンドでWindowsコンポーネント版をインストールする(2) WSLコマンドでWindowsコンポーネント版をインストールする(2)
[設定]アプリの[アプリ]−[インストールされているアプリ]画面を見ると、Microsoft Store版とは表示が異なり、「Windows Subsystem for Linux Update」となっている。また、GUIアプリを実行するための「Windows Subsystem for Linux WSLg Preview」も同時にインストールされる(Microsoft Store版では、WSLgの機能はWSLに含まれている)。

WSLをMicrosoft Store経由でインストールする

 前述の通り、WSLをMicrosoft Store経由でインストールすることも可能だ。「Microsoft Store」アプリを起動し、検索ボックスに「wsl」と入力して、[Enter]キーを押すと、「Windows Subsystem for Linux」が検索できる。[入手]ボタンまたは[インストール]ボタンをクリックすることで、インストールが行える。

WSLをMicrosoft Store経由でインストールする WSLをMicrosoft Store経由でインストールする
「Microsoft Store」アプリを起動し、検索ボックスに「wsl」と入力して、検索を実行する。結果に「Windows Subsystem for Linux」が表示されるので、[入手]または[インストール]ボタンをクリックすればよい(サインインしているMicrosoftアカウントで、初めてインストールする場合は[入手]ボタン、既に別のPCなどでインストール済みの場合は[インストール]ボタンとなる)。

 Windows 10の場合、OSのバージョンによっては「Microsoft Store」アプリからのインストールに対応していないので注意してほしい。「Microsoft Store」アプリからインストールできない場合は、Windows Updateを実行し、最新のバージョンに更新すればよい。

 Microsoft Store版の場合、同時にLinuxディストリビューションはインストールされないので、「Microsoft Store」アプリの「wsl」の検索結果をスクロールして、Ubuntuなどの好みのLinuxディストリビューションを探し、[入手]ボタンまたは[インストール]ボタンをクリックすることでインストールを行う。

Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(1) Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(1)
「wsl」で検索した「Microsoft Store」アプリの画面を、Linuxディストリビューションが表示される部分までスクロールする。インストールしたいLinuxディストリビューションをクリックする。
Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(2) Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(2)
この画面が開くので、[入手]または[インストール]ボタンをクリックする。インストールが完了すると、[開く]ボタンに変わるので、これをクリックして、Linuxディストリビューションを起動する。
Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(3) Microsoft StoreでLinuxディストリビューションをインストールする(3)
Linuxディストリビューションが起動し、インストールが実行される。「Enter new UNIX username:」と表示されたら、ユーザー名を入力し、[Enter]キーを押す。パスワードの入力が求められるので、パスワードを設定する。

 なお、Linuxディストリビューションを起動した際、以下のようなエラー画面が表示されたら、[コントロールパネル]の[プログラムと機能]を開き、左ペインで[Windowsの機能の有効化または無効化]を選択、開いた[Windowsの機能]ダイアログで「仮想マシンプラットフォーム」にチェックを入れ、この機能を有効化すること([コントロールパネル]の開き方は、Tech TIPS「Windows 10で素早くコントロールパネルを開く方法」または「Windows 11では「コントロールパネル」がなくなったの? いいえ、あります」参照のこと)。再起動が要求されるので、再サインイン後、Linuxディストリビューションを起動して、インストールを完了する。

Linuxディストリビューションを起動した際にエラーが生じたら(1) Linuxディストリビューションを起動した際にエラーが生じたら(1)
このようにLinuxディストリビューションのインストールでエラーが表示されることがある。仮想化支援機能(Intel VT-x/AMD-V)がBIOSで有効になっていないか、Windows 10/11の仮想マシンプラットフォームが有効化されていないかのどちらかが原因だ。
Linuxディストリビューションを起動した際にエラーが生じたら(2) Linuxディストリビューションを起動した際にエラーが生じたら(2)
Intel VT-x/AMD-Vが有効化されていない場合は、PCのBIOS/UEFIセットアップ画面を開き、該当する項目を有効化すればよい(PCごとに設定方法が異なるのでマニュアルで確認すること)。また、仮想マシンプラットフォームは、[コントロールパネル]の[プログラムと機能]を開き、[Windowsの機能の有効化または無効化]を選択、[Windowsの機能]ダイアログで、「仮想マシンプラットフォーム」にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリックすることで有効化できる。再起動が要求されるので、再起動を行い、この機能のインストールを完了させる。

 Microsoft Store版の場合、事前に「仮想マシンプラットフォーム」を有効にしておけば、WSLならびにLinuxディストリビューションのインストール後の再起動は不要だ。

Microsoft Store版とWindowsコンポーネント版の主な違い

 Microsoft Store版のWSLでは、「Microsoft Store」アプリの自動更新機能によって更新が行われる他、[ライブラリ]画面を開いて、[更新プログラムを取得する]ボタンをクリックすることで手動による更新も可能となっている。これは、WSLコマンドを使って、Microsoft Store版をインストールした場合も同様だ(「--inbox」オプションを付けて、Windowsコンポーネント版をインストールしない限り、「Microsoft Store」アプリによる自動更新が有効になる)。

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