Excelで、条件に合わせて正否を判定したり、割引率を変更したりすることもあるだろう。このような場合、IF関数を使うと便利だ。その使い方を紹介しよう。
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対象:Excel 2013/2016/2019/2021/365
「Microsoft Excel(エクセル)」の表で、条件に合わせて判定を行い、その結果をセルに表示したり、ある値を超えているかどうかを判定したりすることがあるだろう。例えば、テストの点数で、一定の点数以上を合格、未満を不合格と判定したいような場合だ。
また、数量などによって割引率を変更したいような場合も多いと思う。このような場合、IF関数を使って、条件によって処理を変更すればよい。その方法を紹介しよう。
例えば、前年よりも売り上げが落ちている製品の一覧を作成するような場合を考えてみよう。製品が10点程度ならば、前年と今年の売り上げ票を見比べても対して手間にならないだろうが、100点、1000点ともなると、目視では見落としが発生してしまうだろう。
このような場合、「製品名」「2021年の売上」「2022年の売上」「売上マイナス」といった表を作成し、「売上マイナス」に「=<2022年の売上>−<2021年の売上>」という式を入力し、この値がマイナス(負の値)ならば、売り上げが落ちていることが分かる。ただ、視覚的には少々分かりにくい。
そこで、分かりやすいように「売上マイナス」の列に単純に落ちている製品のみ「×」と表示させたいような場合もあるだろう。そのような場合は、「=<2022年の売上>−<2021年の売上>」といった式ではなく、IF関数を使えばよい。
IF関数の書式は以下のようになっている。
=IF(論理式, 真の場合, 偽の場合)
「真」は論理式が満たされること、「偽」は論理式が満たされないことをそれぞれ表している。Excelでは、真の場合に「TRUE」、偽の場合に「FALSE」とそれぞれ表示される。
論理式 | 演算子の意味 | 説明 |
---|---|---|
A1=5 | 等しい | A1の値が5の場合に「真」 |
A1<5 | 小さい | A1の値が5よりも小さい場合に「真」 |
A1>5 | 大きい | A1の値が5よりも大きい場合に「真」 |
A1<=5 | 以下 | A1の値が5以下の場合に「真」 |
A1>=5 | 以上 | A1の値が5以上の場合に「真」 |
A1<>5 | 等しくない | A1の値が5以外の場合に「真」 |
主な論理式 |
そこで、「2021年の売上」が「2022年の売上」以上の場合、セルに「×」を表示するには、以下のような式を入力すればよい。
=IF(<2021年の売上> >= <2022年の売上>,"×","")
これで、「×」の表示された製品が、2022年の売り上げが落ちていることが一目で分かるようになる。
条件に合致した行(例では前年から売り上げが落ちている製品)を取り出し、どういった製品が該当しているのか検討したい場合、「売上マイナス」列にフィルターを適用し、「×」の行のみを抽出すればよい。
個数によって見積もりの割引率を変更するということは比較的よく行われる。999個までは10%引きだが、1000個以上は15%引きにするといった場合だ。
=IF(<数量> >= 1000,<数量>*<単価>*0.85,<個数>*<単価>*0.9)
これで、1000個よりも多い場合は「<数量>*<単価>*0.85」が実行され、少ない場合は「<数量>*<単価>*0.9」が実行される。このように、最初の論理式(条件)が真(満たす場合)は、「真の場合」の式が実行され、偽(満たさない場合)は「偽の場合」の式が実行されることで、条件による割引率の変更が行える。
ただ、IF関数では論理式の「TRUE(真)」か「FALSE(偽)」しか処理が分けられない。そのため、999個までは10%引き、1000個以上は15%引きという前述の条件に加え、3000個以上は20%引きという条件が加わると困ることになる。
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