ロックやパンクが好きな人は、強い言葉をよく使う?Go AbekawaのGo Global!〜Vipul Mishra(前)(1/3 ページ)

グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回は八楽のVipul Mishra(ビプル・ミシュラ)さんにお話を伺う。捉え方によって正解が変わる授業があまり好きではなかった少年は、数学を通じて曖昧さが詰まった「言葉」の領域に手を伸ばす。

» 2023年02月28日 05時00分 公開

 国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回は翻訳プラットフォーム「ヤラクゼン」の開発に携わるVipul Mishra(ビプル・ミシュラ)さんにお話を伺った。さまざまな言葉、文化が行き交うネパールに生まれたビプルさんは、大好きな地図を眺めながら新しい世界に飛び出すことを夢見ていた。

 聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。

生まれ故郷は奈良市っぽいところ

阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) お生まれはネパールのジャナクプル市ですね。ネパールってどういう土地ですか。

Vipul Mishra(ビプル・ミシュラ、以降ビプルさん) ヒマラヤ山脈がある、自然が豊かな美しい国です。エベレストが有名ですよね。とても多様性のある土地で、言葉も、文化も、生活も全然違う人たちが同じ国で暮らしていて、お互いの言葉も分からないということも珍しくありません。都市と村とでは生活が全く違うというのも特徴です。例えば村の方では、外から来た人が牛乳を買おうとしても、人の紹介がないと買えないというようなところなんです。

阿部川 そうなんですか! 牛を飼ってる人を紹介してもらわないと、牛乳も買えない?

ビプルさん はい。カトマンズのような大都市だと普通に何でも手に入れられますけれど。ジャナクプル市は……そうですね。日本で例えると大阪とか東京とは違って、奈良市のような、どちらかというとこぢんまりした、小さめの町です。

 小学校に入学する前にカトマンズへ引っ越して、そこから小学校、中学校、高校と日本に来るまでずっとカトマンズで暮らしました。

阿部川 小さいころはどんなお子さんでしたか。社交的だとか内向的だとか。

画像 小さいころのビプルさん

ビプルさん 人を笑わせるのが好きだったんです。いつも変なことをして、クラスの友達を笑わせていた記憶があります。

阿部川 明るく社交的な子どもだったのですね。家にいるよりは外で遊ぶのが好きだった?

ビプルさん 家で勉強しているのも好きでした。特に地図を見ることがすごく好きで、何時間も地図を見ちゃってることもよくありました。「こういう国ではこういう金属がよく取れるのか」とか、「こういうとこにはこういう木しか植えない」とか、「こういうところはこういうふうに寒い」とか、「こういうところはずーっと暑い」とか、そういうのを見るのがすっごく好きでした。

最初のPC、OSはWindows 98だった

阿部川 勉強ではどの科目が好きでしたか。

ビプルさん 1番好きだったのは、数学ですね。100点取ると誇らしかったです。

阿部川 いいですね。学校の制度は、日本と同じですか。

ビプルさん 少し違います。ネパールの場合は、幼稚園が3年、小学校が5年あって、中学校も5年。そして高校が2年間ですね。高校生になると大人扱いされるようになります。大学は、医学部を除いて通常4年です。

阿部川 なるほどね、(日本の学校制度と数字が)ぴったり合うんだな。数学以外で得意な分野はありましたか。

ビプルさん 人の捉え方によって正解が変わる科目はあんまり好きではなくて、客観的に見て間違っているかどうかが判断できる科目の方が好きでした。科学とか数学とか。だから英語やネパール語はあまり良い点数を取れなかった覚えがありますね。

阿部川 根っからの理系ですね。物理とか地学とかね。そうしたら大学に進学するとなったら、工学部やコンピュータ、そっちしか考えていなかったのですね。

画像 阿部川 “Go”久広

ビプルさん ネパールでは小学4年生からコンピュータの科目があって。そこですごくいい点数を取れたのですごく好きだったんです。他の人がまだ課題を続けている間に自分は仲のいい友達と課題を終えて追加課題をもらって解いたり考えたり、そういうのが好きでした。


編集中村 編集 中村

 こういうのっていいですよね。自分なりにうまくできることがあって、それに共感してくれる人が近くにいて。勉強することが楽しくなる瞬間だと思います。


阿部川 そのとき(小学校4年生)のコンピュータが、人生で最初のコンピュータですか。

ビプルさん いいえ、最初は1〜2年生のときだったと思います。おじがエンジニアで。当時オマーンで仕事をしていて、休暇でネパールに帰ってきたときにPCを持ってきたんです。2、3年ぐらい、そのPCでゲームをやったりしました。ただゲームじゃないことでPCを使うのは、小学校の授業が初めてでした。

阿部川 ゲーム機としては接点があったけれど、ちゃんとコンピュータとして習ったのは小学校が初めてというわけですね。最初に何をやったか覚えていますか? いきなりプログラミングをしたのですか。

ビプルさん 小学校では「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」などオフィスソフトウェアを少し触った程度でした。あと、「Paint」でよく遊んでいました。

阿部川 オマーンのおじさんが持ってきたPCが何だったか記憶にありますか?

ビプルさん メーカーは覚えてないんですけど、OSは確か「Windows 98」でした。

阿部川 98! 何ということでしょう。最近は本当に自分が年を取ったと痛感します。私は「Windows 95」のころにはもうIT業界で働いていましたから。もしかしてそれからずっと今までWindowsですか。

ビプルさん 大学に入ってからMacを使い始めました。それからはずっとMacです。ちなみに開発は基本的にLinuxでやっています。

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