5分で分かるデータ分析5分で分かるシリーズ(1/2 ページ)

データ分析をビジネスで活用したい人に向け、データ分析の概要と目的、データサイエンスとの違い、メリット、作業フロー、データ分析でできること、データ分析で役立つツールと思考法を、5分で読めるコンパクトな内容で紹介。最後に、次の一歩を踏み出すための参考情報もまとめる。

» 2023年03月06日 05時00分 公開
[一色政彦デジタルアドバンテージ]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「5分で分かるシリーズ」のインデックス

連載目次

 近年、多くの企業でデータ活用、つまりデータを分析してビジネスに役立てることが重要視されるようになってきました。本稿では、データ分析の定義や目的、メリットといった概要面から、データ分析でできることや役立つツールと思考法などの実践面までを簡単に紹介します。

1分 ―― データ分析とは

 そもそも「分析する」の意味は、複雑な事柄を複数の要素に分解してまとめ、その構成や意味などを明らかにすることです。よって、何らかのデータ(情報)の構成や意味などを明らかにすることは、広く一般的に「データ分析」と呼ばれますが、これを「広義のデータ分析」とします。本稿で紹介するのは「狭義のデータ分析」です。

 ここでいう狭義のデータ分析データアナリティクス)とは、

  1. (大量の)データを収集して
  2. データを整理/変換した上で
  3. データを分析することで有用な結論や知見を導き出し
  4. それをステークホルダー(関係者)や意思決定層と共有して
  5. 【目的】主にビジネス上の意思決定をサポートする

ことです(図1)。これによって、企業のビジネス効率を改善したり、収益を生み出したりできることが期待されます。

図1 データ分析とは 図1 データ分析とは

データ分析とデータサイエンスの違い

 「データ分析」に似た用語に「データサイエンス」があります。両者は明確に区分できるものではなく、一部の内容は重複しています。ではどこが違うのか。筆者なりに、特徴的な違いをまとめます。

  • データ分析: ビジネス上の意思決定をサポートすることを目的に、Excelなどのツールを使って基本的な統計処理による分析をするなど、主に分析ツールと分析スキル(統計処理や後述の思考法など)を駆使する
  • データサイエンス: それだけでなく、Python言語などでプログラミングして、数学方程式に基づく数理モデルや、独自の機械学習モデルを作成するなど、主にエンジニアリングスキルと科学的(学術的)知識を駆使する

 ちなみに「データ分析の専門職であるデータアナリストの延長線上にあるのが、データサイエンスの専門職であるデータサイエンティスト」と言われています(参考ブログ記事)。

2分 ―― データ分析のメリットと、作業フロー

メリット1: より正確な現状把握

 まず、データに基づく高精度の現状分析が可能になります。例えば「○○の売り上げが多い」と感覚的に認識しているケースは多いと思われますが、それを明確な数字やグラフを用いて客観的に把握できるようになります。より正確な現状把握によって、これから実施予定の施策などに根拠を与えられるだけでなく、潜在化していた問題点/課題をあぶり出せる可能性もあります。

メリット2: より現実的な将来予測

 次に、データに基づいた将来の予測が可能になります。例えば「明日は○○が何個ぐらい売れる」という予測を、統計学や機械学習のツールと知見を活用することで自動的に行えるようになります。より現実的な将来予測によって、コスト削減などでビジネス効率を高められるだけでなく、新しいビジネスチャンスに気付く可能性もあります。

メリット3: より迅速な意思決定

 昨今のビジネス環境は変化が激しいため、ベテラン社員の経験や勘に頼るのではなく、上記のようにデータに基づいて、より迅速にビジネス上の意思決定を行うことが求められるようになってきています。そのような企業経営はデータドリブン経営と呼ばれ、近年、注目を集めています。

 以上でデータ分析の定義と目的、メリットという概要が分かったので、次は「どのような流れでデータ分析を行うのか」「データ分析で何ができるか」「データ分析で役立つツールと思考法」などより実践的な方面を簡単に紹介していきます。

基本的な作業フロー

 業務効率が高まる一般的な作業フローとしてはPDCAサイクル(計画→実行→評価→改善……を繰り返すこと)が有名ですが、データ分析ではそれによく似たPPDACサイクル(問題→計画→データ→分析→結論……を繰り返すこと)も有名です(図2)。

図2 PPDACサイクルとは 図2 PPDACサイクルとは

 PPDACサイクルは作業フローの一例です。企業や人によってさまざまな作業フローが策定されていますが、内容はほとんど同じです。例えばGoogleの講座では「問いかけ→準備→処理→分析→共有→行動」という作業フローを教えています。

3分 ―― データ分析で何ができるか?

 データ分析の前提となるデータについては「5分で分かる人工知能(AI)」で簡単に説明しているので、必要に応じてご参照ください。一例として、表形式で数値がまとめられている表形式データには、例えばお店のレジでの商品購入時データが蓄積された「POSデータ」や、ほとんどの企業が保有するであろう「売り上げデータ」、ビジネス上の意思決定を行うために収集した「アンケート調査データ」など、企業や業種によって多種多様なものが存在します。

 そういったデータを活用して、どのような分析ができるかを以下に示します。これらのデータ分析には、高校で学ぶ基礎的な数学の確率・統計から、大学で学ぶ統計学、AI/データサイエンス分野で学ぶ機械学習など、さまざまな知識とそれに対応したツールを用います。本稿ではデータ分析の手法についての説明は割愛しますが、ヒントとなるように一部の代表的な手法の名前だけを参考までに提示しておきます。

図3 データ分析でできる主なこと 図3 データ分析でできる主なこと

データ全体の傾向を把握する

 平均値/最頻値/中央値などの代表値を計算します。

データ間の関係性を把握する

 データ間の相関係数(=相関の度合い)を計算します。

データを可視化して特徴を把握する

 データからグラフを作り、その特徴を視覚的に把握したり、データ間で特徴を比較したりします。

データから数値を予測する

 いわゆる回帰。基本的な手法に「線形回帰分析」があります。

各データの分類を判別する

 いわゆる二値分類多クラス分類。基本的な手法に「決定木」があります。

データをグループ分けする

 いわゆるクラスタリング。基本的な手法に「k-means法」があります。

その他の応用

 ここで取り上げたのは、データ分析手法のほんの一部です。他には例えば、何らかの商品購入のついでに一緒に買われる商品を分析する「バスケット分析(アソシエーション分析)」などもあります。

目次

1分 ―― データ分析とは(現ページ)

2分 ―― データ分析のメリットと、作業フロー(現ページ)

3分 ―― データ分析で何ができるか?(現ページ)

4分 ―― データ分析で役立つツールと、思考法(次ページ)

5分 ―― まとめと、次の一歩のための参考情報(次ページ)


       1|2 次のページへ

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2026
人に頼れない今こそ、本音で語るセキュリティ「モダナイズ」
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。