最近ビジネスの世界では、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)といった分かりやすい数値目標を示すことが求められるケースが多いなと思っています。また、明確なゴールを求められることも。
もちろん、数値を測定しながらコトを前に進めることも、ゴールを示すことも、とても大切だとは思います。
でも、全てが数値で測定できるわけではないし、新たなチャレンジには、何が正しいのか分からないことも多いもの。また、それぞれの人が抱く「思い」や「信頼関係」といったことは、そもそも数値化が難しいですよね。
このような場合は「取りあえず動く」でいいんじゃないかと思うんです。
というよりも、「やらなきゃ」という熱い思いを持って動こうとする人が、「それをやると、○○がどう増えるの?」「ゴールは?」といったKPIを理詰めで求められて周囲から迫害されたり、心が折れたりしないといいな、と思います。
もし皆さんを迫害する人がいたら、私は代わりにこう言ってやりたいです。「KPI、KPIってうるせぇんだよ。安全なところでつべこべ言っていないで、まずは、できることからやりましょうよ」と。
世の中にはいろいろな課題があります。きっと皆さんの周りにも、大なり小なりさまざまな課題があるでしょう。
多くの人は、その課題に気付かないか、気付いていながら気付いてないフリをしているか、気付いているけど何もしないかのいずれかです。
でも、冒頭のAさんをはじめ、さまざまな課題に向き合い「何とか解決できないか」とチャレンジする人たちもいます。あなたも何かもやもやしていることはありませんか?
もし、「いま、これをやっておかないとまずいんじゃないかな」「これ、○○した方がいいんじゃないかな」と思っていたら、取りあえず動く。答えなど誰も知らないのだから、それでいいんだと思います。
もちろんそれが、うまくいくかいかないかは分かりません。時には批判されることもあるかもしれませんし、迫害されることもあるかもしれません。
大切なのは、それが正解なのかそうでないのか分からない中でも、一歩踏み出す勇気だと思います。
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 引っ張ってもついてこない時代の「個性」に寄り添うマネジメント(翔泳社)」「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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