仕事をしていると、「どうすれば、この問題を解決できるのか?」が分からないことがあります。周囲に理解されないことも数知れません。それでも自分の中で何かが燃え始めたのなら、やるべきことは1つだけです。
先日、ある製造業の会社で働く女性Aさんと話をする機会がありました。
Aさんは、ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)の業務に関わっています。ダイバーシティーとは、多様な個性を尊重すること。インクルージョンとは、多様な人たちが集える場を形成すること。最近よく耳にする言葉ですよね。
製造業といえば、決められた製品を、決められた工程や作業手順通りに、決められた時間内で作る仕事です。企業に置けるD&Iを「多様な人たちが、多様な形で活躍できる」と置いたとき、ひょっとしたらD&Iとは対局にある業種かもしれません。
Aさんの会社でも、製造現場で働いていた女性から「子どもを出産して職場復帰したいが、時短勤務が可能か?」といった相談が寄せられるそうです。女性に限らず、多様な働き方ができるようにするのは社会的な要請でもあります。
でも、以下のような理由から、対応が難しいケースが多いそうです。
その結果、多様な働き方ができないために、いままで築いてきたキャリアを分断せざるを得なかったり、未来を描けず退職に追い込まれたりするケースも多いそうです。
Aさんは、こう言います。
「現在のままでは、出産や育児、介護などの事情がある社員はキャリアを継続できません。しかも、最近は人材不足で採用が難しくなってきていますから、会社としても離職は避けたい。だから私は、多様な働き方ができる職場にしたいし、さまざまな制約がある社員でもキャリアを継続できるようにしたいんです。『会社を辞めなくてもいいんだ』というロールモデルになりたいんですよね」
周囲からの理解を得るために、孤軍奮闘しているそうです。この話を聞いて、私の胸は熱くなりました。それと同時に、何ともいえない虚無感に襲われました。
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