GitHubは、DevSecOpsを開発者にとってフレンドリーなものに向上させる5つのヒントを公式ブログで解説した。
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GitHubは2024年1月5日(米国時間)、「DevSecOps」を開発者にとってフレンドリーなものに向上させる5つのヒントを公式ブログで解説した。
DevSecOpsに取り組むことは、リスクの最小化、修復コストの削減、より迅速でセキュアな製品リリースなど多くのメリットがある。しかし、開発者の視点から見ると、断片的なツールの統合などにより、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)がより複雑になり、さらなる負担になることも多い。さまざまな種類のセキュリティアラートを理解し、優先順位を付け、解決するために、開発が遅れることもある。
GitHubは「開発者の負担にならないようにDevSecOpsを改善することは、安全で迅速な製品のリリースに不可欠だ」とし、5つのヒントを解説した。
セキュリティプロセスの構築やポリシーの決定に開発者が関与すればするほど、エンジニアリングチームとセキュリティチームのコラボレーションがスムーズになる。新しいツールを購入したりポリシーを変更したりする前に、開発者と話し合い、フィードバックを求める必要がある。
多くのセキュリティツールは、セキュリティスペシャリストのために構築されており、開発者のワークフローに組み込むと摩擦を生む可能性がある。従って、セキュリティツールをSDLCに統合する場合、セキュリティツールから必要なデータを抽出し、開発者のワークフローにネイティブに統合する方が効果的だ。さらにいいのは、開発者のワークフローにデータを直接組み込めるセキュリティツールを使うことだ。これにより、開発者による脆弱(ぜいじゃく)性の早期発見、修正につながるだろう。
開発プロセスにセキュリティを導入すると、アラートへの対応が開発者のワークフローの一部として組み込まれる。しかし、アラートの多くは偽陽性である可能性が高く、対処する価値があるのは一部だけだ。セキュリティツールが偽陽性のアラートを発し続けると、開発者はツールに対する信頼を失う。その結果、開発者が重要なアラートを読み飛ばしてしまうことになりかねない。
効果的なセキュリティアラートシステムに、リスクの高い脆弱性に対処するプロセスを組み合わせることで、開発者がリスクの高いアラートに優先順位を付け、組織のセキュリティ債務(時間の経過とともに蓄積され、その結果、修正するのが困難でコストが高くなる脆弱性)を一掃するのに役立つ。
限られたリソース、急速な脅威の進化、ノイズの多い偽陽性のアラート、システムの複雑化により、緊急性の高い脆弱性を把握し続けることは困難だ。しかし、AI(人工知能)と自動化は、誤検知を減らし、開発者による一貫したセキュリティチェックの実施、対策に役立つ。
さらにAIは、幅広いオープンソースのフレームワークやライブラリのモデリングを強化する可能性を秘めている。AIによりフレームワークが正確にモデリングされる割合が増えるにつれて、これらのシステム内のデータフローをよりよく理解できるため、偽陰性のアラートを減らす可能性も高くなる。AIによるモデリングを加速させることで、より多くの脆弱性を検出できるだろう。
組織は新しいツールや製品のマニュアルを作成するために、ベンダーと協働すべきだ。そして、エンジニアリングチーム全体にこれらの要望を伝えるために、セキュリティリーダーを選ぶ必要がある。
セキュアコーディングの実践に関する要望を明確にすることで、曖昧さをなくし、開発者のセキュリティ意識を高めることができるだろう。要望を明確に伝えることができるリーダーを選定することで、望ましい行動をモデル化し、組織全体のDevSecOpsを推進できる。その結果、セキュアなコーディングが開発者に理解され、一貫して実装される可能性が高まるだろう。
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