通信、電気、ガス、水道、鉄道など、「社会を支えるインフラ」の仕事をしているITエンジニアのキャリアについて。その技術が特殊であればあるほど、「つぶしが利かないのでは?」「他で通用するのか?」と未来に不安を感じていませんか?
先日、通信業界で人事の仕事をしているAさんと話す機会がありました。
Aさんは通信インフラを支える会社で働いています。通信環境を整備するために、これまで多くのエンジニアを採用してきたそうです。
しかし、Aさんは「通信は業界としては成熟してきた。近い将来、多くの技術者が余るのではないか?」と言います。そこで、会社では従業員のリスキリングや、地域で活躍できるよう複業を推進しようとしているそうです。
ただ、これまでの業務が通信業界に特化した「特殊な技術」であるため他に転用しづらく、「従業員をどのように生かしたらいいのかが課題」なのだそうです。
Aさんの話を伺って、「特殊な仕事をしていると、確かに“つぶしが利かない”ことがあるかもなぁ」と思いました。
本稿をお読みの方の中には、インフラ系のエンジニアも多いでしょう。IT業界で「インフラ系」とは、ネットワークやサーバ、データベース、通信設備のような、ITを裏側で支える仕事です。少し視点を広げると、電気、ガス、水道、鉄道、建築、土木など「社会を支えるインフラ」もあります。
鉄道会社に勤める30代の知人Bさんからは、以前、次のような悩みを聞きました。
「私が持っている鉄道に関する知識や経験は、社内ではなくてはならないものです。ですが、一歩社外に出ると一切通用しません。だから、将来を考えると不安です。『何かしなくちゃいけないな』と焦っています」
鉄道という特殊な仕事だけに、「いまのままで大丈夫なのだろうか?」「つぶしが利かないのでは?」と、未来のキャリアに悩んでいるようでした。
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