リクルートマネジメントソリューションズは「会社や上司からの管理に関する意識調査」の結果を発表した。会社に対して管理過剰感があると回答した人が半数近くを占め、会社管理過剰感はルールの形骸化や閉塞感がある会社だと高い傾向にあった。
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リクルートマネジメントソリューションズは2024年5月28日、会社や上司からの管理に関する意識調査の結果を発表した。この調査は、会社勤務の正社員(経営者や役員を除く)を対象に実施し、930人から有効回答を得た。
会社に対する管理過剰感について4つの視点(「会社は従業員のことを管理し過ぎだ」「会社からの管理に息苦しさを覚える」「会社からの管理が煩わしい」「会社には、これがなければもっと高い成果が出せるのにと思うルールや手続きがある」)で聞いたところ、最も回答が多かったのは“成果創出を妨げるルールや手続き”で60.0%。次いで“管理の煩わしさ”で46.9%、“従業員を管理し過ぎ”が46.3%、“管理の息苦しさ”が45.9%だった。
同様の設問を、会社ではなく上司(に対する管理過剰感)に置き換えて質問したところ、最も多かったのは「これがなければ、もっと高い成果が出せるのにと思うような上司からの管理がある」(39.1%)で、次いで「上司からの管理が煩わしい」(35.9%)、「上司からの管理に息苦しさを覚える」(34.7%)、「上司はあなたのことを管理し過ぎである」(32.5%)と続いた。
リクルートマネジメントソリューションズは「“上司から”に比べて“会社から”の管理過剰感があると感じている人の方が多かった」と分析している。
同調査では、管理過剰感に関係しそうな会社の特徴についても調べている。
ルールに関する特徴については、「一度作ったルールや制度は、なかなか撤廃、改善されない」など、ルールが形骸化している企業ほど会社からの管理過剰感が高かった。これに対して、「社内のルールや制度について従業員が意見を言える」「新しくルールや制度ができたときには、背景や意図について説明がある」といったように、コミュニケーションが取れている場合は、会社からの管理過剰感は低い傾向があった。
閉塞(へいそく)感に関する特徴については、「内向きで現場や顧客の声が通らない」「部門の縦割り意識が強く、組織間の対立が起こりやすい」「意思決定に際し、稟議(りんぎ)や根回しが煩雑だ」など職場の閉塞感が強いほど会社からの管理過剰感は高く、「たとえ失敗してもチャレンジすることを奨励している」「意思決定スピードが速い」「現場判断ができるよう、社内外の情報が開示されている」という状態にある企業では会社からの管理過剰感は低かった。
上司の管理過剰感については、上司に対する懐疑心やマイクロマネジメントの要素があると上司からの管理過剰感が高くなる傾向があるようだ。「なぜこんな指摘や指導をするのかと思うことがある」や「あなたに細かく報告、連絡、相談を求める」といった状態では管理過剰感が高く、逆に「あなたが自律的に働けるよう任せてくれる」「あなたの考えや意見を尊重してくれる」という自律、尊重の姿勢が見える状態では、上司からの管理過剰感は低かった。
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