Gartnerはパブリッククラウドサービスにおける世界のエンドユーザー支出予測を発表した。生成AIとアプリケーションのモダナイゼーションが支出を後押ししているという。
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Gartnerは2024年5月20日(米国時間)、パブリッククラウドサービスに対する世界のエンドユーザー支出についての予測結果を発表した。これによると、2023年の5610億ドルから2024年には20.4%増加し、世界のエンドユーザー支出は6754億ドルに達するという。
Gartnerによると、この成長の要因として生成AI(人工知能)とアプリケーションのモダナイゼーションが挙げられるという。「汎用(はんよう)基盤モデルの継続的な開発と、大規模な生成AI対応アプリケーションの提供に向けた取り組みにより、パブリッククラウド支出の継続的な成長が見込まれる」と、Gartnerのアナリストでバイスプレジデントを務めるシド・ナグ氏は述べている。
「この継続的な成長により、パブリッククラウドのエンドユーザー支出は、今世紀末までに1兆ドルを超えると予想している」(ナグ氏)
Gartnerはクラウド市場の全てのセグメントは2024年に成長すると予想している。エンドユーザーの支出増加率が最も高いのはIaaS(Infrastructure as a Service)で25.6%、次いでPaaS(Platform as a Service)が20.6%だった。
「IaaSは、進行中の生成AI革命を反映して、堅調な成長を続けている」とナグ氏は述べている。
「AIモデルをトレーニング、推論、ファインチューニングするためのインフラストラクチャの必要性は高まっており、今後も指数関数的に増加し続け、IaaSの消費に直接的な影響を及ぼすだろう」(ナグ氏)
クラウドインフラストラクチャとプラットフォームサービスが支出増加をけん引しているが、エンドユーザーの支出ではSaaSが依然としてクラウド市場最大のセグメントとなっている。
Gartnerは世界のエンドユーザーのSaaS支出が2024年に20%増加し、総額2472億ドルに達すると予測している。
「独立系ソフトウェアベンダーによるアプリケーションの最新化がSaaS支出増加の要因となっている」とナグ氏は述べている。
「組織は、AI、機械学習、IoT、ビッグデータなどの特定のユースケースでクラウドの使用を増やし続けており、これがSaaSの成長をけん引している」(ナグ氏)
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