「COBOL技術者いない」「仕様書ない」レガシー継承、AIベテランエンジニアでClaude Code連携も可能にメインフレーム移行のノウハウ投入

東京システムハウスは、COBOLシステムの保守や移行を支援する「AIベテランエンジニア」の最新バージョンとなるv1.2をリリースした。質疑応答システムへのフィードバック機能の追加や、Claude Code連携などが行われている。

» 2026年06月25日 08時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 独立系システムインテグレーター(SIer)の東京システムハウスは2026年5月13日、プログラミング言語「COBOL」で構築されたシステムの保守や移行を支援するツール「AIベテランエンジニア」の最新バージョン(v1.2)をリリースしたと発表した。

 COBOLは社会インフラを支えるさまざまな基幹システムで利用されているが、COBOLを扱うことができるベテランエンジニアの引退や技術者不足により、保守・運用面での課題が深刻化している。そうした中で東京システムハウスは、2025年5月にAIベテランエンジニアの提供を開始した。

画像 COBOLの仕様書作成や質疑応答を行う(提供:東京システムハウス)

 メインフレーム移行支援で培ってきたノウハウを基に、COBOLシステムの解析や仕様書作成、運用に関する問い合わせ対応をで支援するツールとして開発したものだ。今回の最新バージョンでは、暗黙知の蓄積を支援するフィードバック機能や、AIコーディングエージェント「Claude Code」との連携機能などが加えられた。具体的に何ができるのかを以下で見てみよう。

「COBOL人材がいない」をどう解消? AIベテランエンジニアが機能強化

 COBOLシステムを運用してきた組織では、仕様書や設計書が整備されていないことによるブラックボックス化が問題となっている。東京システムハウスは企業が抱えるこうした課題を解決し、COBOL資産の見える化と効率的な運用を支援すべくAIベテランエンジニアを開発した。

 同システムは、COBOLシステムに精通したベテランエンジニアの業務をAIが代替するツールで、「仕様書作成システム」と「質疑応答システム」の2つを提供する。仕様書作成システムは、COBOLのソースコードをアップロードするとGeminiが仕様書を自動生成する。質疑応答システムは、COBOLシステムに関する質問に対し、仕様書を検索して生成AIモデル「Gemini」が回答する。

画像 仕様書を検索してGeminiが回答する(提供:東京システムハウス)

フィードバック機能および「Claude Code」連携機能の追加

 COBOLシステムの保守・運用においては、蓄積された知識やノウハウが暗黙知として属人化しているケースが多い。

 そこで今回新たにリリースされたv1.2では、質疑応答システムにフィードバック機能が追加された。具体的には、AIベテランエンジニアの回答に対するフィードバックを記述式で入力できるようになり、開発時の注意点や特殊ルールといった暗黙知や職人技を組織のナレッジとして蓄積できるという。チャット履歴を「診断パターン」としてナレッジに登録することも可能。

画像 回答へのフィードバック入力画面(提供:東京システムハウス)

 Anthropicが提供するAI駆動開発ツール「Claude Code」との連携にも新たに対応した。MCP Server(SSEおよびStreamable-HTTP方式)を通じて、Claude CodeからAIベテランエンジニアを直接呼び出すことができる。

画像 Claude CodeからAIベテランエンジニアを直接呼び出せる(提供:東京システムハウス)

 AI駆動開発ツール単体では膨大なCOBOLコードを十分に理解することが難しいため、AIベテランエンジニアで膨大なCOBOLシステムを事前に分析およびベクトル化しておき、その情報をAI駆動開発ツールへ提供することでCOBOLコードを容易に扱えるようにできるという。

画像 AIベテランエンジニアのMCP Server活用メリット。COBOLシステムを事前に分析・ベクトル化し、AI駆動開発ツールへ必要な情報を提供する(提供:東京システムハウス)

仕様書生成の品質向上とその他の機能改善

 仕様書生成機能も強化された。機械的に判定できる情報は静的解析で抽出し、その意味や役割の説明をAIが担当することで、出力内容のばらつきを抑えながら高精度な仕様書を生成できるようになったという。また静的解析やAIによって取得した情報を、あらかじめ定義したテンプレートに埋め込む仕組みを採用することで、出力形式の統一と品質の安定化が図られている。

 仕様書の視認性向上のため、フローチャートの表現が統一され、ルールも厳格化された。さらには仕様書内にプログラム全体の制御構造を図として自動生成する機能が追加された他、質疑応答システムにおいてチャット履歴を画面上で確認できるようになり、名前を付けてチャット履歴を保存したりチャットを再開することが可能になった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。