NTTデータビジネスブレインズが情シス実務担当者を対象に、レガシーシステムについてのアンケート調査を実施した。8割以上が「可能な限り触りたくない」と感じるシステムが存在すると回答し、レガシーシステム運用に対する負担感が明らかになった。
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NTTデータビジネスブレインズは2026年5月19日、情シス実務担当者221人を対象に実施したレガシーシステムに関するアンケート調査の結果を発表した。調査期間は2026年4月17〜18日。回答者は全国の情シス実務担当者221人で、有効回答のみを集計した。
同社は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で課題となっているレガシーシステムの保守/運用実態を把握する目的で調査したとしている。
担当または関与しているシステムの中に「可能な限り触りたくない」「改修要望が来ると憂鬱(ゆううつ)になる」と感じるものが存在するかどうかを尋ねたところ、84.7%が「存在する」と回答した。
NTTデータビジネスブレインズは、この背景に「長年のツギハギ改修による複雑化」や「影響範囲を把握しにくい構造」など、レガシーシステム特有の構造的問題があると分析している。
運用している主要システムにおいて、設計書などのドキュメントとプログラム(実態)が一致しているかどうかを尋ねたところ、「ほぼ完全に乖離(かいり)している」が43.9%、「ドキュメントは存在しない」が5.6%だった。「部分的に一致していない」(29.1%)を含めると、約8割でドキュメントに課題があることが分かった。
NTTデータビジネスブレインズは、ドキュメント不足によってソースコード解析への依存が高まり、保守/改修作業の負担増加につながっていると分析している。
特定のベテラン担当者、または回答者自身が急に退職した場合のシステムへの影響を尋ねたところ、「一部のサブシステムやツールが回らなくなる恐れがある」が59.8%、「基幹システムを含む複数の重要システムが停止する恐れがある」が15.6%だった。
同社は、多くの企業で特定個人への依存が続いていると指摘。レガシーシステムでは古い言語や独自フレームワークが使われているケースもあり、技術の継承が課題になっているとしている。
既存システムの保守/運用業務を続けることで、ITエンジニアとしての市場価値が下がると感じるかどうかを尋ねた。「強く感じる」が19.8%、「やや感じる」が55.7%で、合わせて75.5%がキャリアへの危機感を抱いていた。
NTTデータビジネスブレインズは、AIやクラウドなど新しい技術への関心が高まる一方、既存システム対応に業務時間を割かれることで、スキル習得機会が制限されている可能性があると分析している。
クラウド(SaaSなど)導入に伴い、旧システムとデータを連携させる「手作業」が増えたかどうかを尋ねたところ、「劇的に増えた」が18.4%、「やや増えた」が56.1%で、74.5%が手作業の増加を実感していた。
NTTデータビジネスブレインズは、オンプレミス(自社運用)環境のレガシーシステムと最新SaaSとの連携が難しく、CSV加工などの手作業が発生しているケースがあると説明している。
システム障害時に復旧を最も長引かせている要因を尋ねたところ「バックアップや復旧などの仕組みが不十分」が52.4%、「属人化・ブラックボックス化により、原因特定に時間がかかる」が18.4%、「ベンダーなどの連絡や連携体制が整っていない」が14.6%という結果だった。
NTTデータビジネスブレインズは、レガシーシステムでは復旧や冗長化の仕組みが十分に整備されていないケースもあり、障害対応が長期化しやすいと指摘している。
システムの保守や障害対応による「休日出勤」や「深夜作業」が月に平均どのくらい発生するかを尋ねたところ、「月に4回以上(ほぼ毎週)」が14.9%、「月に1〜3回程度」が53.0%で、約7割が月1回以上の対応を経験していた。
NTTデータビジネスブレインズは「手作業の増加」や「復旧の長期化」が、情シス担当者の業務負荷増加につながっていると分析している。
自社の「レガシーシステム対策」(2025年の崖対策)の進捗(しんちょく)を尋ねたところ、「現場の努力でなんとか運用を回している」(41.7%)で最も多かった。「対策が進まず現場は限界に近い」が7.8%、「ほぼ対策はできている」と答えたのは7.5%にとどまった。
NTTデータビジネスブレインズは、多くの企業で抜本的なシステム刷新よりも、既存システムを維持しながら運用を継続している実態があると分析している。
NTTデータビジネスブレインズは今回のアンケート結果を通じ、レガシーシステムの運用が現場担当者の業務負荷や人材依存の課題につながっていると分析。システム刷新や運用改善、人材育成を含めた対応が、今後の課題になるとの見方を示している。
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