標準ACL、拡張ACL、番号付きACL、名前付きACL――ACLの基礎知識と分類方法:CCENT/CCNA 試験対策 2015年版(25)(3/3 ページ)
シスコの認定資格「CCENT/CCNA」のポイントを学ぶシリーズ。今回は、ACLの種類、2種類の分別方法、ワイルドカードマスクなどを解説します。
演習問題
Q1. 10進数の「215」は2進数ではどのように表現できるか?
ア.00010111
イ.01010111
ウ.11010111
エ.11011111
A1. ウの「11010111」
Q2. 10進数の「171」は2進数ではどのように表現できるか?
ア.01010111
イ.01110111
ウ.10100111
エ.10101011
A2. エの「10101011」
Q3. 2進数の「00111001」は10進数でどのように表現できるか?
ア.57
イ.61
ウ.65
エ.69
A3. アの「57」
Q4. 2進数の10111010は10進数でどのように表現できるか?
ア.107
イ.110
ウ.172
エ.186
A4. エの「186」
演習問題の解説〜基数変換の方法
「10進数(0〜255の範囲)」を「2進数」に変換する
「128」「64」「32」「16」「8」「4」「2」「1」と順番に変換する10進数から引き算して、記録した1と0を並べたものが、基数変換後の2進数である。
- 「引き算の答え(差)がプラスのまま」なら「1を付けて実際に引き算」する
- 「引き算の答え(差)がマイナス」になるなら「0」とする
例:10進数の「173」を2進数に変換 173−128= 45(差が+) 1を記録、引き算する 1ビット 45− 64=−19(差が−) 0を記録、引き算しない 2ビット 45− 32= 13(差が+) 1を記録、引き算する 3ビット 13− 16=− 3(差が−) 0を記録、引き算しない 4ビット 13− 8= 5(差が+) 1を記録、引き算する 5ビット 5− 4= 1(差が+) 1を記録、引き算する 6ビット 1− 2=− 1(差が−) 0を記録、引き算しない 7ビット 1− 1= 0(差が+) 1を記録、引き算する 8ビット 「10101101」が、10進数173を2進数で表記したものとなる。
「2進数(8ビット)」を「10進数」に変換する
「値が1の位の数字」に対し、最上位ビット(左端)から「128」「64」「32」「16」「8」「4」「2」「1」と順に足し算する
例:2進数の「10110011」を10進数に変換 128+0+32+16+0+0+2+1=179 「179」が10110011を10進数で表記したものとなる。
予告
次回はひき続き、CCENTの出題範囲の5.2「ACL のタイプ、機能、使用例の説明」から、「番号付き標準ACL」「番号付き拡張ACL」「名前付き標準ACL」「名前付き拡張ACL」の4パターンを詳しく解説します。
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3演習問題編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー2編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー1編
- スイッチのポートセキュリティ設定
- ネットワークデバイスのセキュリティ設定
- 時刻情報を同期する「NTP」の仕組みと、ルーターへの設定方法
- 「NAT」の仕組みとルーターへの設定方法
- 4種類のACLのルーターへの設定方法
- ACLごとの通過条件設定方法と適用場所、設定コマンド
- 標準ACL、拡張ACL、番号付きACL、名前付きACL――ACLの基礎知識と分類方法
- DHCPとは何か――ルーターでDHCPサーバーを稼働させるための設定方法や仕組み、シーケンス、メッセージの種類、リレー、リース期間
- VLAN間ルーティングの設定と確認
- OSPFv3とOSPFv2の違い、そして設定コマンド
- OSPFを理解する基本的なポイントと設定コマンドの使い方
- リンクステート型ルーティングプロトコル「OSPF」
- ディスタンスベクター型のルーティングプロトコル「IGRP」と「EIGRP」
- ディスタンスベクター型のルーティングプロトコル
- 所定のルーティング要件に対応するスタティックルート(静的ルート)またはデフォルトルートの、ルーティング設定と確認
- コマンドを使用したルーターの設定とネットワーク接続の確認
- 複数のルーティング手法とルーティングプロトコルの比較
- ルーター設定を行うためのCLIの設定と活用方法
- アクセスポートとトランクポート
- VLANで論理的に独立したネットワークを作成する
- ストア&フォワード方式、カットスルー方式、CAMテーブル
- コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
- トポロジとメディアアクセス制御を理解する
- デュアルスタック、トンネリング、NAT――IPv6とIPv4の共存方法
- ぶいろく? ぶいしっくす?――初心者でも分かる「IPv6」の基礎
- 至高のネットワークアドレッシング方式学習法
- 究極の入門 プライベートIPアドレスとパブリックIPアドレス
- 超入門 ネットワークケーブルの種類と配線方式の違い
- ネットワークデバイス(ルーター、スイッチ、ブリッジ、ハブなど)の目的と機能 基礎の基礎
- 新人ネットワークエンジニアがまとめたTCP/IPプロトコルスタックとOSI参照モデルの基礎知識
- CCENT/CCNA取得を目指す皆さんへ
筆者プロフィール 齋藤貴幸
ドヴァ ICTソリューション統轄本部 デベロップメント&オペレーショングループ 2部
情報系専門学校の教員を12年勤めた後に同社へ入社、エンジニアへ転向。沖縄県と首都圏を中心にネットワーク構築業務に携わる。また、シスコ・ネットワーキングアカデミー認定インストラクタートレーナーとして、アカデミー参加校のインストラクターを指導している。炭水化物をこよなく愛する男。
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