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真実の瞬間──SASのサービス戦略はなぜ成功したか |
●ヤン・カールソン=著 堤猶二=訳
●ダイヤモンド社 1990年3月
●1262円+税 ISBN4-478-33024-7 |
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経営戦略論の名著。著者のヤン・カールソン氏はスカンジナビア航空(SAS)グループ社長兼CEO(出版当時)で、オイルショックのために業績不振に陥っていた同社を建て直した人物である。
表題の「真実の瞬間」とは顧客と従業員が接点を持つ15秒間(SASの平均接客時間)のこと(この概念は経営コンサルタントのリチャード・ノーマン氏が提唱)。この15秒の接客態度が会社全体の印象を決めてしまうことから、筆者は企業の意思決定機構の逆転を意図する。すなわち、この短い時間に顧客に最適なサービスを提供するために、上位の役職者ではなく現場の判断で即座に意思決定を行えるように組織と社風を改革していくのである。組織のエンパワーメント、顧客志向、ブランド・マネジメント、CRM、ナレッジマネジメントなど、今日的なビジネスキーワードに直結する考え方が満載されている。
著者は本書の冒頭でこのように述べる。「情報をもたない者は責任を負うことができないが、情報を与えられれば責任を負わざるを得ない」──企業風土に踏み込んで業務改革にまい進する情報マネージャに送る1冊。
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