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ビジネスブログのつくりかた |
●齋藤伸也/小暮正人=著
●秀和システム 2005年4月
●1300円+税 4-7980-1015-4 |
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多くの個人が利用するようになったブログ。「ブログ=日記」と思う人も多いが、情報を手軽に発信できるブログはビジネスでも活用できる。本書はビジネス視点から、ブログで情報発信していくまでの戦略や手法、効果の検証などをまとめている。
第2章では基本戦略の設定を解説する。目的のほか、ターゲット(誰に伝えるか)、テーマ、コンテンツ(どうやって伝えるか)、書き手の設定をし、最後にブログタイトルを決めて方向性を打ち出す。それを受け第4章では、無料・有料のブログサービスやブログソフトウェア「Movable
Type」を紹介、それらを活用した構築・運用方法を説明する。また、レイアウトやカテゴリ分け、コメントの削除に関するポリシーをどうするかなどを扱う。
ブログの初歩から知りたい方は、ホームページとの違いや運用コスト、情報発信の仕組みをQ&A形式で解説する第1章を、何から手をつけたらいいか分からないときは、建築会社、宿泊施設、美容室、病院、学校などのビジネスブログ事例を紹介する第3章を参考にしたい。「ブログとは何か」という基礎から知りたい人向け。(ライター・生井俊) |
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営業が変わる──顧客関係のマネジメント |
●石井淳蔵=著
●岩波書店 2004年6月
●780円+税 4-00-700114-6 |
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本書は、「営業という仕事の意味」という読み物から始まる。“お客さんのための営業”や“ノルマ”の意味について、先達の言葉を引用し営業の本質を問う。
第3章「属人の営業と組織の営業」では、1人の営業マンが深くお客さんに食い込む属人的な営業ではなく、組織でアプローチする営業のメリットをうたう。住宅販売の現場では、モデルハウスの宣伝広報、お客さんのニーズの聞き取り、研究所への案内など、仕事がきちんと分解されている。それぞれの分野の責任者が明確になると、ムダが省けるだけでなく、営業担当者それぞれの能力(専門性)の向上にも役立つ。そして、専門化されたすべての分野を一通り理解したとき、一人前の「お客さん担当」になれるという。
前半部分は営業の技術について語られるが、後半はそのマネジメント手法へと展開する。営業をプロセスでとらえ、案件の進ちょくを管理することから始まり、最終的には“お客さんとの継続的な関係”を重視する仕組み作りを目指す。CRMの強化を考えているマネージャやSFA導入を提案したいSEに、本書でその前提となる「プロセス営業」を学ぶことをお勧めしたい。(ライター・生井俊) |
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なぜあの人だと話がまとまるのか? |
●田村洋一=著
●明日香出版社 2004年1月
●1500円+税 ISBN4-7569-0716-4 |
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紛糾していた会議や泥沼化していたプロジェクトが、あるとき突然動き出したり、まとまったりすることがある。こうした「話がまとまる」という現象には、原理があるという。そしてそれは訓練次第で身に付けられるという。
本書は、ファシリテーションのプロが経験に基づて「話がまとまる」原理とやり方を語っていく。これはロジカルシンキングや問題解決アプローチとは異なり、技法というより視点の持ち方だといえる。
ファシリテーションの本ではどのようなプロセスで行うか(How)の部分に焦点が当たりがちだが、ここではなぜそれを行うか(Why)を重視し、チームや組織においては「ビジョンや目標をチームに与えること」──すなわちリーダーシップのスキルを強調する。そして「緊張構造」(ビジョンと現実のギャップ=P・センゲのクリエイティブ・テンションに同じ)を中心に戦略的なファシリテーションを実現していく技法を解説する。
難しい理論や込み入った解説などなく、簡単に読み終えることができるが、プロジェクトの運営に行き詰まったり、メンバーとの付き合い方に迷ったりしたとき、繰り返し読んでも道を示してくれる──そんなガイドブックとなりそうだ。 |
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会社というおかしな場所で生きる術──「使われる」サラリーマンから「使いこなす」サラリーマンへ |
●柴田英寿=著
●実業之日本社 2004年5月
●1400円+税 ISBN4-408-10588-0 |
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「キミは、がんばっているのになかなか評価されていないが、見ている人は見ているから」という人がいる。果たして、それは必要なことなのだろうか。評価は自分を成長させていくためには大切だが、特定の誰かに評価されることは目的にならない、と本書はいう。組織論、人材論というより、自己啓発を中心にまとめられている。
しがないサラリーマン脱却を目指す手法をまとめたのが第1章。会議で結論を先送りにすることを避ける、夜は5時半に帰る、儀式のような送別会は昼休みに行うなど、時間の無駄を排除するユニークなアイデアが並ぶ。
第2章では「会社というおかしな場所で生きる術」として、頭の使い方を学ぶ。「机に座っていることや資料を作ることが仕事だと思ってしまうのは、仕事のできない人の典型的な考え方」だといい、仕事は午前中に片付け、昼間は人に会うことを推奨する。
ダメ上司に出会ってグチをこぼしたり、悩むのではなく、いかに成長し、彼らや自分自身を変えていけるかが勝負。最近は安易に転職を考える人が多いが、まず不平不満のあるいまの職場で挑戦してみる気が出てくる一冊だろう。(ライター・生井俊) |
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