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■モデリング
 
できる人のモデル思考力──データモデルはこう使え!!
●勝藤彰夫、石ヶ森正樹=著
●技術評論社 2005年7月
●1680円+税 4-7741-2434-6
 どんな仕事であれ、情報が関係しない仕事はない。モデリングは情報を扱う技術者(システム屋)だけのものと思いがちだが、ビジネスマンでもこのエッセンスを知っておくと、文書や考え方をきれいに構成したり、業務上の問題を整理するために役立つと本書は説く。
 実用的なシステムを構築するためには、システム開発者がそのビジネスを熟知しているかが鍵になる。システム開発者との共同作業の中で、あなたがまず「システムに何をさせるか」を明確に伝え、システム開発者は「どのようにしてシステムを作り、動かすか」を考えるのが基本となる(第1章)。
 また、ビジネスルールを記述する作業は、ビジネスのモデル化といえる。このときに「データ」「機能」「ユーザーインターフェイス」の3要素が必要だ。これらの要素(モデル)は有機的に関係し合い、全体としては1つの情報システムの内容を表現しているという(第2章)。
 ほかに、実体関連モデル(ERモデル)を使ったデータモデルの作り方や、事例を読み解きながら情報を構造化する手順を紹介する。ビジネスマンにとって、モデリングがどれだけ役立つかは未知数だが、システム導入にかかわる情シス担当者は知識として持っておきたい。(ライター・生井俊)
図解 上級SEのためのビジネスモデリングテクニック 機能ユニットモデルのBPM方法論
●芳賀正彦=著
●日本工業新聞社 2004年8月
●2400円+税 4-526-05326-0
 ビジネスモデルの再構築により競争優位性を高めていくためには、企業の設計図が必要になる。本書では、このような企業の設計図を作成し、その企業活動の構造とダイナミズムを表現するための方法論を提供する。
 全社的なBPMを実現するための要件として、「直感的な分かりやすさ」「俯瞰(ふかん)性」「一貫性」「プロセスの表現」「収益・コスト・時間の表現」「組織の表現」「情報処理システムとの親和性」を挙げる。そこで気を付けるべきポイントは、物事をただ単純化するのではなく、「モデル化の目的を明確」に意識すること、現状の組織形態や業務手順に拘泥せず「あるべき姿を徹底的に追求する」姿勢があること、その作業を行う際は「抽象化」と「一般化」の視点を持ち続けることなどだ。
 メーカー、商社などを想定した企業活動のモデリング例では、機能ユニットに合わせた階層化やモデルのバイアスと標準化、業務イベント一覧表などを紹介する。機能モデル、プロセスモデル、組織モデルの作成手法のほか、システム開発やモデリングツールに関しても詳しく、まさに上級SEが活用できる実践的な内容になっている。(ライター・生井俊)
コンサルタントになる人のはじめての業務分析
●窪田寛之=著
●ソフトバンクパブリッシング 2004年7月
●2600円+税 4-7973-2405-8
 業務改善からシステム分析まで幅広く使える、UMLによる「コンポーネントモデリング」の手法を、ケーススタディをふんだんに盛り込みながら解説する。
 第3章「コンポーネントモデリング入門」では、業務改善の基礎となるヒアリングのコツや効果的な業務フローの洗い出しについて紹介し、オブジェクトの抽出、コンポーネントの仕様化を学ぶ。それを受け、第4章では通信販売業務の事例に沿って業務分析の手順を確認していく。また第5章では、病院外来、自動車販売業務、人材派遣業務の業務分析を行い、そのサンプルを掲載している。付録として、Jude竹、MagicDrawなどのモデリングツールやUMLダイアグラムについてまとめている。
 専門用語の使用を極力避け、平易な文章で書かれているため、コンサルタントやシステム担当でなくても理解しやすい。また、各章は数ページごとのセクションで分かれており、必要な部分を拾い読みするのもいいだろう。(ライター・生井俊)
エンタープライズ・アーキテクチャ
●IBMビジネスコンサルティングサービス IT戦略グループ=著
●日経BP社 2003年12月
●2800円+税 ISBN4-8222-1873-2
 経営とITとの結びつきを強くするエンタープライズ・アーキテクチャ(EA)について、コンサルティングする立場からその構造や実践、価値について紹介したのが本書だ。
 第1章は「EA時代が到来している」と題し、「EAとは何か」から、なぜいまEAなのか、経営層のITに対する要望などを述べ、情報システム部門だけでなく、経営者層にも分かりやすい導入部に仕上げている。ちなみに、本書の言葉を借りればEAとは「企業のITの状況を整理して、経営に貢献できるITのあり方を描き出す方法論」のことだ。
 第2章では「EAの構造」について、「アーキテクチャ」「ガバナンス」「移行計画」の3つの視点で説明する。さらに、アーキテクチャはビジネス構造を表す「ビジネス・アーキテクチャ」、業務プロセスや機能を表す「アプリケーション・アーキテクチャ」、ビジネス活動に必要となるデータを表す「データ・アーキテクチャ」の3層があり、これらをITに写像した「テクニカル・アーキテクチャ」を合わせた4層に分けられると解説する。
 「EA構築の実践」(第3章)では、EAを国レベルで推進するアメリカの流れを受けた日本政府や企業の取り組みを紹介している。また、第5章ではIBMが提唱する「e-ビジネス・オンデマンド」と連携することで、今後EA自体がより進化していくとまとめている。(ライター:生井俊)
〈業務別〉データベース設計のための「データモデリング入門」
●渡辺幸三=著
●日本実業出版社 2001年7月
●2800円+税 ISBN4-534-03250-1
 書店のコンピュータ書籍コーナーにいくと、データベースをテーマにしたマニュアル本が数多く並んでいる。そのほとんどが「データベースとはどんなものか」「データベースツールの具体的な操作方法」などについては書かれているが、業務を具体的にどのようなデータベースとして設計すべきかについては触れられていない。
 本書は「商品管理」「在庫管理」「販売管理」「購買管理」「取引先管理」「会計管理」と具体的な業務に即して、どのようなデータモデルがあり得るかを解説する。筆者は「データモデリングの知識はシステム屋と業務屋の間の深い溝を埋める『共通言語』の役目を果たす」と述べる。
 業務オリエンテッドの本書は、本職のSEとまではいかないがシステムの発注を行っているユーザー企業のスタッフに、ぜひお奨めしたい1冊である。

 

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