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カーネル2.4の特徴は 北浦訓行 |
Linuxのカーネルは、これまでの2.2から2.4へとバージョンアップされた。1999年秋にリリースといわれていたが、ハイエンド機能の追加などにより、開発版である2.3.0のリリース以来、2年ぶりのバージョンアップになる。原稿執筆時点での最新版は、2001年1月31日に公開された2.4.1だが、2.4.xの主な新機能について紹介する。
- USB
プリンタやデジタルカメラ、スキャナ、キーボード、マウス、NIC、モデム、オーディオデバイスなど、サポートするUSBデバイスが大幅に増えた。
- 大容量ファイルサポート
仮想ファイルシステム(VFS)の改良により、ext2ファイルシステムでも2Gbytesを超えるファイルを扱うことができるようになった。
- システムリソース
同時に使用可能なプロセス数が2.2のデフォルトである512(最大4096)から、メモリの使用状況により動的に変化するようになった。また、メモリも最大64Gbytesまで使用可能になった。
- SMPの効率化
対称型マルチプロセッシング機能が強化され、より効率的な処理が可能となった。
- Raw I/Oデバイス
カーネルを経由せずにアプリケーションから直接アクセスすることができるデバイスをサポートした。データベースなどの効率化が期待できる。
- ジャーナリング機能(ReiserFS)
ファイル書き込みの際にトランザクション処理を行う機能をサポート。電源の切断などによるファイルシステムのクラッシュを防止できる。従来のext2のように、fsckでファイルシステムの整合性をチェックする必要がなくなる。この機能は、カーネル2.4.1から取り入れられた。
- ファイルシステム
UDF(Universal Disk Format)、JFFS(Journaling Flash Filesystem)、Ramfs、NFS 3などのファイルシステムに新たに対応した。
- DRM
DRM(Direct Rendering Infrastructure)は、XFree86 4.0.xの新機能であるDRI(Direct Rendering Manager:ハードウェアによる3Dグラフィックアクセラレーション)の、カーネル側のサポート機能だ。3Dグラフィックスの描画を高速に、安定的に行える。
- LVM
LVM(Logical Volume Manager)は、複数のディスクデバイス上のパーティションを1つの仮想的なボリュームとして扱うための機能だ。複数の小さなHDDを1つの大きなHDDとしてアクセスできる。
- 対応プロセッサ
従来のx86、PowerPC、Alpha、SPARCに加え、IA-64(IntelのItanium)、S/390(IBMのメインフレーム)、SuperH(日立のCPU、Windows CE用として利用されている)、MIPS64(MIPSの64bits CPU)がサポートされている。
カーネル2.4.xを採用したディストリビューションとしては、Linux MLD5(ただし2.4.0-test版)がある。また、Red HatやSuSEなどのディストリビューションが2.4.xを搭載した製品(もしくはβ版)のリリースを発表している。
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