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メモリがスワップされているかどうかを調べるには 北浦訓行 |
Linuxでは、仮想記憶によってメモリ空間を広げることによって、PCに搭載された物理メモリよりも大きなプログラムを実行可能にしたり、マルチタスクを実現している。そして、仮想記憶のために使用されるのがスワップパーティションだ。
メモリがスワップされるとハードディスクへのアクセスが発生することになるが、メモリアクセスに比較するとハードディスクへのアクセスはかなり遅い。そのため、メモリのスワップが発生するとLinuxやアプリケーションの動作が遅くなったように感じる。
従って、快適にLinuxを使用するには普段使用するプログラムを起動した状態で、スワップが発生しないだけのメモリを搭載すればいいことになる。最近は、一昔前に比べてPC用のRAMモジュールも安くなっているので、スワップされていることが分かったらメモリの増設を検討するといいだろう。
メモリがスワップされているかどうかを調べるには、freeコマンドを使うといい。以下は、RAMを512Mbytes搭載したPCでfreeコマンドを実行した例だ。
$ free |
また、vmstatコマンドを使用すれば、スワップイン(スワップアウトされたデータを物理メモリに読み込む)およびスワップアウト(物理メモリのデータをハードディスクに書き出す)の回数を調べることができる。
$ vmstat |
上の例では、swpdが22016に、siが9に、soが21になっている。swpdは仮想メモリの使用量を示す。swpdが22016とは、21.5Mbytesのスワップ領域が使用されているということだ。
また、siは1秒当たりのスワップインのメモリ量(Kbytes)で、soは同じくスワップアウトのメモリ量(Kbytes)になる。従って、上記の例では1秒間に9Kbytesのスワップインと21Kbytesのスワップアウトが発生していることが分かる。このような状態が日常的に発生しているなら、このシステムにはメモリを増設した方がいい。
ここでは、メモリを大量に使用するプログラムを実行して上記のような状況を作り出したが、256Mbytesのメモリが搭載されたPCでX Window Systemを動かして、OpenOffice.orgを動かしたくらいでは、スワップはほとんど発生しない。メールを受信したり、Webをブラウズする程度の目的であれば、256Mbytesのメモリを搭載したPCで十分といえるだろう。
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