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Red Hat Linuxを完全自動でインストールするには 北浦訓行 |
Red Hat Linuxには、キックスタートというインストール方法がある。それを利用すると、Red Hat Linuxを完全に自動でインストールできる。たくさんのPCにインストールする場合や評価などで繰り返しインストールする場合などは、キックスタートを使うと便利だ。ここでは、Red Hat Linux 8.0のインストールCD-ROMからシステムを起動して、フロッピーディスクに保存したキックスタート設定ファイルによってインストールを行う例を紹介する。
キックスタートは、あらかじめ作成しておいたキックスタート設定ファイルの内容に従ってインストールを行う。従って、最初にキックスタート用の設定ファイルを作成する。作成するためのツールが「キックスタート設定ツール」だ。
Red Hat Linux 8.0でキックスタート設定ツールを起動するには、メニューの[システムツール]−[キックスタート設定]を選択する。コマンドは、/usr/sbin/redhat-config-kickstartだ。Red Hat Linux 7.xの場合は[プログラム]−[システム]−[キックスタート設定]で、コマンドは/usr/sbin/ksconfigになる。
すると、キックスタート設定ツールのウィンドウが表示される。
キックスタート設定ツールの画面。ここでは言語やキーボード、マウスなどの基本的な設定を行う |
左ペインの項目を順にクリックしていき、右ペインに表示されるパネルで設定を行う。ほとんどが通常のインストールで見慣れた項目なので問題はないだろう。通常のインストールと違う項目は、[インストール前のスクリプト]と[インストール後のスクリプト]だ。例えば、インストール前とインストール後に実行するスクリプトを指定すれば、システムによってパーティション構成を変更したり、ユーザー固有のアプリケーションをインストールしたりできる。
すべての設定を終えたら、[ファイル]メニューの[ファイルの保存]を選択してキックスタート設定ファイルを保存する。デフォルトでは、ホームディレクトリにks.cfgというファイルが作成される。
キックスタート設定ツールの[ファイルの保存]ダイアログボックス |
作成が終わったら、キックスタート設定ツールのウィンドウを閉じて、ks.cfgをフロッピーディスクにコピーする。
# mcopy ks.cfg a: |
いよいよ、キックスタートによるインストールを始める。CD-ROMからインストーラを起動して、「boot:」というプロンプトが表示されたら以下のコマンドを入力して[Enter]キーを押す。
boot: linux ks=hd:fd0/ks.cfg |
このとき、キーボードの設定が101になっているため、106キーボードではキートップの刻印と入力される文字が異なるものがある。上記のコマンドを入力する場合は、[=]は[^]キー、[:]は[Shift]キーを押しながら[;]を押すと入力できる。
後は、自動的にインストール作業が行われるので、特に操作をする必要はない。
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